好きなときに好きなところへ行けないと不便ですね

 ある意味ですぐには日本に行けないという立ち位置を得ることで、日本にまつわる様々な面倒なことから距離をおきたい、ということには成功したとは言えるのですが、完全に日本との縁を切ったわけではない、というよりは日本と全面的に繋がった上で、単に居所を一時的に海外においている、という立ち位置というのが正確なところなので、用事があるときに思い通りにその場に行けない、というのは当然ストレスにもなり得ます。
 現状はご存知のとおり、新型コロナウイルス感染症に関するあれこれで、国境を超える移動がとにかく面倒かつ時間がかかるのです。日本政府の求める、ウイルス検査の陰性証明書の要件への謎のこだわりの結果、各国に軋轢を生んだり、帰国を求める邦人の入国を拒否してみたりと、もはやまともな人が決めているとは思えない日本のあれこれ、ワクチン接種証明書を持っている人への隔離期間短縮の制度もまあいろいろと危うい要素を含んでいて、私の今いる国の政府発行証明書は、現在のところ日本で有効な証明書とは認められません。どうも日本の発行する証明書との相互承認みたいなことを念頭においているという噂ですが(未確認ですのであまり突っ込まないでください)、そもそも現時点で私の任国ではそもそも入国時の隔離は原則として無いし、ワクチン接種証明書を使う場面は日本のものに限らず存在しないので、何をもって相互承認になるのかははなはだ疑問です。査証免除の相互承認みたいな話であれば、外交戦略としてわからなくもないですが、現状、ワクチン接種証明書を承認しないことで不利益が生じるのはほとんどが邦人。日本が認める他国でワクチン接種し、証明書を発行した人が、私の任国から日本へ渡航する場合は隔離期間短縮(まあ非常に微妙な制度ではありますが)が認められる一方で、政府が証明書を発行していても、日本が明確に認めていない国の証明書は無効。その証明書が信用ならないというならまだしも、ちょっと何を目指しているのかよくわからないな、と思ってます。