「外科医たち」-0149-

 今日は大学の某記念日で、意図せずポリクリ(=お医者さんごっこ)生にもお休みがもらえたのでした。ポリクリ担当の先生が、「まあ、学生の特権だからね」とおっしゃっていたので、他の班員とも歩調をあわせ、今日はゆっくりすることにしました。

 昨日から第一外科の実習なのですが、一外の方針で、学生はやる気さえあれば、研修医がやるような手技を体験させてもらえます。で、研修医は、いままでの研修医がやるよりも、一歩先のことが体験させてもらえるそうです。

 昨日も長い一日で、7時に起きて学校へ行き、8時過ぎにはオペ室に入って、4時前に終了、その後病棟に戻って、研修医と昼食をとったのは5時頃、その後病理標本をつくったりとかしていると、指導医から、「じゃあ、もう少ししたら夕飯食うか」とか告げられたので、帰りそびれ、結局夜まで病棟で実習したあと、飲みに行き、12時を回ったあたりにまた病棟に戻り、結局病院を出たのは午前1時をまわったあたりでした。

 とは言っても、所詮学生は気楽なもので、自分に責任のある仕事があるわけじゃないから、つくづく外科医のパワフルさには驚かされ、平均寿命が一般人より10年は短いという統計にも妙に納得しちまいました。それでいて、また朝は6:30頃から採血したりして、7:30のカンファに間に合わせるのです。

 他のポリクリ班員がみんな引き上げてしまい、たったひとり取り残された私ですが、まあ、飲み会というおまけが初日から付いてきたりして、ちょっと役得です。外科の気さくな乗りも嫌いじゃないです。体力的に絶対辛いときいて、わりと興味のある一般外科に二の足を踏んでいた私ですが、初日からすごい拘束時間だったにもかかわらず、そういう生活もいいかなと思ってしまっている自分がいて、「なんか、内科とかにくらべて、ダイレクトにオペとかしてるほうが、治療してるって気になるんですよね」なんて言ったことに対して、研修医が同じようなことを考えてこの道を選んだときいたりしているうちに、またふつふつと外科への興味が湧いてくるのです。

 何て言って、まだ一日しか行ってないからそんなことが言えるのかも知れませんがね。明日からまた頑張ります。ちなみに、担当の研修医って、結局2つ上の先輩で、面識がある場合も多々。そう言う意味では、出身大学に入局するということは、学生時代からすでに人間関係が形成されているということで、良い面も、悪い面も当然ありますが…。そういう意味でも、学生間の関係のほかに、現場の医師であり、学校の先輩であり、教官である医師が入り込むポリクリという期間は、「半社会人」なのです。もちろん、患者さんや、その家族と触れあうという意味でも。