2003-01-01から1年間の記事一覧

「外科医の年末年始」-0544-

入院患者がいる限り、当直医は必ず必要で、入院ベッドのあるような病院は大抵救急患者も随時受け入れる建て前なのです。コンビニのバイトのように、当直医がみつかるわけもなく、かといって、常勤医が二人とか三人しかいないような病院で、常勤医だけで毎日…

「サプライズ」-0543-

昨日の有馬記念は、シンボリクリスエス(ペリエ)圧勝。次いでリンカーン(武豊)、ゼンノロブロイ(柴田善)。はずしたレースからかも知れないけれど、なんだか面白くないレースでした。中盤のつぶしあいのような展開がいまひとつ。結局タップダンスシチーはその…

「第48回有馬記念」-0542-

いつも思うのですけど、僕らの業界の御用納めほど意味のないものはなくて、官公庁と同じ12/26(金)に、そば食って「お疲れさまでした」と言っている途中退席して、ICUのカンファレンスに出るのだし、昨日も今日も丸一日外勤に出ているのです。加えていうと、…

「メリークリスマス」-0541-

神様、僕らは今日もがんばってお仕事してますよ。 土曜日に降った雪は、もうほとんど残っていないけれど、僕が朝起きる時刻の空はまだ暗くて、乗り込んだ車のガラスは凍っているのです。僕は、ごてごてした服があまり好きじゃないので、あまり暖かい服を持っ…

「メッセージ」-0540-

僕があなたにそれを伝えたのは、「受け入れろ」とか「理解しろ」とかそういう押し付けではなくて、ただ知っていて欲しかったという、それだけのことです。語弊があるかも知れないけれど、職場とか、家族とかいうものは、「強制的」な人間関係です。そういう…

「エルステ・マーゲン」-0539-

なんとなく大腸・肛門に経験症例が偏っていたのですが、先週の月曜日、思いがけず初めての胃癌手術の執刀をさせてもらったのです。Erste Magen、たぶんドイツ語としてはおかしな使い方なんだと思うのですが、僕らの業界では、最初の胃切経験をエルステ(最初…

「カドをたてて!」-0538-

月・水・金が大学での手術日なのですけれど、そのいずれも予定が飽和状態で、昨日僕の絡んだ手術は4件もあって、最後の手術は予定手術なのに夕方6時スタート。その日3件目と4件目の手術は10分ほどの時差入室で、しかも夕方5時をすぎて日勤看護師の業務…

「お金は大事だよ」-0537-

大学で研修医一年生をしていたときには、正直ほとんど気にならなかったことに、「医療コスト」ということがあります。二年目に僻地の赤字の赤十字病院で働いて、事ある度に院長は「赤字だ赤字だ」といい、緊急手術で夜中に非常勤の麻酔科医を呼ぼうとすると…

「記憶」-0536-

結婚式ラッシュ。 日曜日は京都駅にくっついたホテルで行われた結婚式に招かれたのでした。新婦が大学の同級生。他に誰が来るのかよく知らなかったのですが、久しぶりの同級生と思いがけず再会したのでした。さらに新婦が学生時代入り浸っていた教室の教授が…

「思春期」-0535-

土曜日は、古い友人の結婚式でした。新郎新婦共々、高校時代に演劇部に所属していた仲間。新婦とは中学1年生のときに同じクラスでした。僕の通う公立の小学校は学区の狭間にあって、中学校にあがるときに3つの校区に別れるという場所でした。高校は僕の小…

「自称外科医」-0534-

あらすじ。僕、外科医3年目のザウエル。仕事は嫌いではないけれど、プライベートを大切にすることも人生において大切だと思っている。研究は必要だと思うけれど、臨床の実践だけに関わる人間がいても良いと思っている。少し前に、大学院入学を打診されたの…

「九州へ」-0533-

今日の肺の手術中に、おもむろに医局長に「九州へ行くつもりはないか?」というようなことを言われたのです。突然なのでなんとも。 九州にある、とあるばかでかい国立病院のレジデントとして、来年4月から2年間のプログラム。今まで、うちの医局から行って…

「プロフェッショナル」-0531-

要領の良い仕事をする人を否定するという気持ちがわからないのです。それは決して苦労していないということではないし、手を抜いているというわけでもありません。逆に「だって一生懸命やっているじゃないか」ということだけを、最低限こなさなければならな…

「ブラックジャックになりたい」-0530-

午前中は大きな川をこえて県境をまたいで、ある医院で胃カメラと外来業務。夕方からは、また川をこえて県境をまたぎ、整形外科メインの個人病院で当直業務。 なんていうか、医局派遣というだけでついてくる信用ってのはある。僕がどこにも所属していないただ…

「祭、酒、手術」-0529-

医学祭と呼ばれる隔年の学園祭は、軽音楽部のライブにだけ混ぜてもらう。acidmanの「波、白く」「赤橙」「turn around」三曲をコピー。なぜか小道具にカセットコンロ、鍋、おでん。オペ着、帽子、マスク。文字だけ並べるとステージ風景が全くわからないけれ…

「失格」-0528-

僕は、カルテの記載をしないまま一日の仕事を終えるとか、患者さんに侵襲を与えて得たレントゲンやCT画像、病理検体などを丁寧に扱えなかったりとか、そういう無責任な人間を、到底医者とは認められません。ただそれだけの話。

「不愉快な話」-0527-

外勤日当直中。たったいま診た患者さん。深夜に救急車でやってきた患者さんは、結果的に軽傷で、帰宅が可能だったのですが、病院に支払うお金や保険証は用意していませんでした。急患なんだから、それは仕方の無いことだと思います。患者さんは、1000円しか…

「ウィー、アー、ロッカー」-0525-

最近は、もっぱら運転中が音楽鑑賞の時間。僕が今乗っている車のチェンジャーには、CDが6枚ばかり入るので、たまにレコード屋にいくと、目についたCDとか欲しかったCDを6枚くらい、一気に「大人買い」する機会が多いのです。それで、車のBGMを一気にかえて…

「整形外科医ザウエル」-0524-

僕、外科医ザウエル。今日は外勤病院で、大腿骨骨折の観血整復二件と、膝蓋骨々折整復一件の手術でした。なんて書いても、実は一般の人々はなんの違和感も感じないのかも知れない、と思ってみました。ひとくちに外科手術、といっても、内科医と精神科医以外…

「義務じゃなくて」-0523-

木曜日の外勤病院では、例のごとく整形外科手術助手。助手といいつつ、数件手術があるうちの、プレート抜去など、簡単な手術に関しては、院長が僕にメスを渡してくれるので、貴重な整形外科医としての一日です。現行法では、僕が何科の診療をしてもかまわな…

「テレビドラマ」-0522-

外勤病院のハシゴ。昨日の病院を後にして、車を30分くらい走らせると、二年前の今頃、毎週火曜日外勤にやって来ていた懐かしい病院に到着します。ハッピーマンデー。体育の日。運動会とかお祭りとかのある日は、病院にはろくなことがないことが多いです。今…

「楽しい連休」-0521-

今日から半年間、月に一回だけ当直にやってくることになった病院で当直しています。精神科が大きな病棟を持つ病院の当直。整形外科の同級生が常勤で働いているらしい。彼が外来で診た患者の消毒をしました。精神科の回診にやってきていたのも同級生で、それ…

「代々木公園」-0520-

木曜日は整形外科医。毎週木曜日に、大学で教授回診前の早朝カンファに出たあと、日勤当直で外勤にやって来る病院では、整形外科医の院長と二人で、簡単な整形外科手術を行っています。今日は骨折の観血的整復を二例と、骨折整復後の抜釘一例。普段、いわゆ…

「リハビリニッキ」-0519-

僕の所属する外科は、現在6チームに別れて専門医療を行っています。それぞれに指導医がいて、最低一人の研修医が属しています。そこへ中途半端な身分で中途半端な期間勤務する僕が飛び込むわけですが、いろいろ相談した上で、主に下部消化管と呼吸器の患者…

「さよならICU」-0518-

職歴。平成13年6月1日〜平成14年3月30日、医学部附属病院外科医員(研修医)。平成14年4月1日〜平成15年3月31日、赤十字病院外科医師。平成15年4月1日〜平成15年5月31日、医学部附属病院集中治療部医員(研修医)。平成15年6月1日〜平成15年9月30日…

「眠る」-0516-

外勤日当直、ICUで日当直、明け、外勤日当直、ICUでなんちゃってオーベン(指導医)扱い当直という勤務。だいた50時間くらい拘束された後、20時間くらい休みがあって、また50時間くらい拘束という感じです。仮に全く患者がこない当直であったとしても、いつ呼…

「お医者のタマゴクラブ2(仮題)」-0515-

本になったお医者のタマゴクラブは、僕の医学生時代のものですが、その後、責任のある立場に放り込まれて、二年間の研修医生活をした上で、理想と現実との中で揺れ動く思いもまた、意味のあるものかと思い、出版の見込みがあるわけではないのですが、「お医…

「お医者のタマゴクラブの後に」-0513-

本になった「お医者のタマゴクラブ」のあとがきに、「もし何かに興味を持っていただいたならば、それぞれの分野の成書を手にとってみて下さい。あるいは、その道を目指してみて下さい。誰かのそんなきっかけになることができるならば、無上の喜びです」とい…

「仕事着」-0512-

残暑厳しいですね。いかがお過ごしですか。 なんて言われても正直よくわかんないのです。ほぼ病院の中で生活してるので、帰宅するときとか、外勤病院移動するときに乗る、自分の車の中の異様な熱気なんかで、かろうじて季節感を感じるのです。ただし、寒い季…

「ドン・キホーテ」-0511-

世の中の、「一見親切に思えること」ってのは本当にたちが悪いと思うのです。本当の親切は、往々にしてお節介にとられたり、苦言となって避けられたりするというのは、別に医療に限った事じゃなくて、誰でも経験していることだと思うのです。風邪をひいて熱…