「眠る」-0516-

 外勤日当直、ICUで日当直、明け、外勤日当直、ICUでなんちゃってオーベン(指導医)扱い当直という勤務。だいた50時間くらい拘束された後、20時間くらい休みがあって、また50時間くらい拘束という感じです。仮に全く患者がこない当直であったとしても、いつ呼ばれるかとドキドキしながら待機して、じっと一人で病院に籠もっているのは疲れるし、運悪くもの凄く忙しい日に当たることもあって、そうすると文字通りの50時間勤務になってしまうのです。

 日曜日の、僕がちょっと苦手とする病院の当直は、夕方くらいまでほとんど外来から離れられない盛況ぶり。その中で、真の救急患者と、単なるコンビニ受診患者をトリアージ(重症度分類)するのはどうしても重要なことです。限られたマンパワーと検査体制の中で医療が行われるので、そのキャパシティを超えると、正直医療はずさんになります。

 所見の乏しい中で、念のために加えた検査で、脳梗塞と胆嚢結石・総胆管結石の患者さんを入院させましたが、その怒濤の流れの中で、普段から得意とは言えないCTの読影が、やはり甘くなるなということを実感して、またちょっと凹んだりするんです。まだまだ本当は単独診療が怖い三年目。まだ診たことのない病気もたくさんあります。

 そんな気分の中、普段は下っ端当直なのに、一日だけとは言え、大学病院のICUの統轄的立場におかれたりして、思い切り気疲れしたり。気疲れだけでなく、大きな手術があったり、入室中の患者さんで状態が悪い人がいたりと、肉体的にも疲れるのです。寝不足のときは心が狭くなって、後輩に少し辛くあたってしまったかな、と反省したり。

 昼頃にようやく解放されて、その後しばし泥のように眠るのでした。目が覚めたあとも、しばらく動けないような疲れっていうのは、精神的な疲れをのぞけば、小学生くらいのときに、遠足なんかにでかけて大はしゃぎした後、半日以上も眠りこける状況と良く似ています。そして、仕事でそういう疲れをしばしば経験する僕は、当然同じような疲れを覚えるくらい、遊びも真剣にやりたいと考える人間なのでした。

 しばらく触っていない楽器を引っ張り出して、密かに出演を考えている医学祭(という学園祭)に向けて、ネタを仕込みはじめるのでした。

 追伸。最北医学生の日常の2003/9/20で、「お医者のタマゴクラブ」の書評を頂きました。褒め殺しと見紛うかの如く褒めて頂き恐縮です。流通がどういう状況か不明なのですが、僕の手元に著者分のものがまだありますので、もし興味を持って頂いた方で、入手が難しいという方がおられましたら、ご一報下さい。