「仕事着」-0512-

 残暑厳しいですね。いかがお過ごしですか。

 なんて言われても正直よくわかんないのです。ほぼ病院の中で生活してるので、帰宅するときとか、外勤病院移動するときに乗る、自分の車の中の異様な熱気なんかで、かろうじて季節感を感じるのです。ただし、寒い季節には敏感です。ただでさえ起きられない朝が、地獄のような辛さになるので。病院は暖房でかえって暑かったりするんですけど。そんなわけで、一年中ケーシー(という半そでハイネック白衣)で過ごしているので、季節感ないことこの上無し。

 医者として働き始めた頃は、ワイシャツにネクタイなんて締めていったりもしたのですが、これが不便なことこの上無いのです。病院内バタバタと走り回り、血液とか排泄物とか浴びながら仕事したりするのに、オフィスワーカーの愛用するその服装のなんと不便なことか。いつの頃からか、概ね僕の仕事着はケーシー一本になりました。

 ヒゲをそっておくとか、歯を磨くとか、そういう身だしなみにおいては、結構気を使ってます。家に帰れなくても、風呂に入れなくても、その中でなんとか最上級の清潔さを保とうとはしています。最終手段としては、マスクっていう方法があって、感染防止という本来の目的以上に、ヒゲを隠したり、くさい息をごまかしたりするのに、もっとも重宝するアイテムです。

 サンダルとかスリッパでバタバタするのは苦手で、革靴が気にならない人なので、あしもとは黒か茶色の革靴、黒かグレーのフォーマルに見えなくも無いカジュアルなパンツに、Tシャツの上にケーシーを着込むっていうのが僕の仕事中の格好です。

 そんなわけで、その格好からケーシーを脱いで、何か上着を羽織ったものが僕の通勤のスタイルになるわけで、あんまりバリエーション無いのです。毎日ネクタイ変えるとかいうこだわり方もできないので、せいぜいTシャツ変えるとか、日替わりで靴履くとか、パンツが同じように見えて実は違うとか。

 まあ、冬は上に長いシャツ着てみたり、セーター羽織ってみたり、コートにしたりジャンパーにしたりと組み合わせも増えるわけですが、夏はTシャツだけってこともありうるわけです。そんな格好で出勤して、当直続いてずっと帰ってこなかったかと思えば、現在はICUで交代勤務をしているため、平日の真昼間に「当直明け」で帰宅してきてみたりするのです。アパート住まいで、周りはほぼ若い夫婦とか家族が住んでるのですが、近所にどう思われているのか不安でなりません。きっと得体の知れない人だと思っているに違いないです。回覧板も僕のうちでとまっていたりします。

 季節感無視して、近所に不審がられて、転々と職場変わって、早2年半。