「楽しい連休」-0521-

 今日から半年間、月に一回だけ当直にやってくることになった病院で当直しています。精神科が大きな病棟を持つ病院の当直。整形外科の同級生が常勤で働いているらしい。彼が外来で診た患者の消毒をしました。精神科の回診にやってきていたのも同級生で、それほど忙しくない当直という病院張り込み作業を、だべったりしながら過ごしました。明日も別の病院で当直です。ここを明日の朝出て、別の病院へ。病院の中でひとりで一日過ごし、まずい検食(病院食が当直医の食事として出る。毒見を兼ねる)食べながら病院ハシゴして、世間的には楽しい秋の連休を消費していくのです。でも誰かが当直しなければいけないし、大学からほとんど給料出ない以上、こうして食っていくしかない部分もあります。

 ひとり中国語を母国語とする方を診療しました。日本語があまり通じないので、外来においてある、かゆいところには手が届かない外国人用ハンドブックと、付き添いの人の通訳らしきものと、漢字の筆談でなんとか。自費診療ということで、よく相談して、薬価を確認して、必要十分な薬剤と検査のみ使用しました。以前、やはり日本語の通じない台湾人を診たことがありますが、そのときは、イレウス管を入れなくてはならない状態で大変でした。片言同士のやりとりの末、レントゲン透視下で鼻から小腸まで管を入れていく作業。看護師さんに、例のハンドブックを参考に、採血とか腹痛とかいうのを中国語で書いた紙を渡しておいて、コミュニケーションにつかってもらったりしたのです。自称日本語が出来るフィリピン人は、日本語も英語もいまひとつ通じず、タガログではなくフィリピノ語を使っていると言っていました。いままで一番たくさん診療した外国人は、スペイン・ポルトガル語圏の人だったかも知れません。

 語学は元来好きだし、一時期はそういう方面へすすもうと思っていたこともあったくらいですが、恥ずかしながら、僕は英語力すら中学レベルくらいまで退化していて、旅行などではそれほど不自由しないものの、診療レベルには達しません。

 こういう当直中なんかに、語学でも学べばよさそうなものですが、もう、高校時代のように、きちんと集中して何かを学ぶということがつらくなってきました。下り坂、なのか。