「ウィー、アー、ロッカー」-0525-

 最近は、もっぱら運転中が音楽鑑賞の時間。僕が今乗っている車のチェンジャーには、CDが6枚ばかり入るので、たまにレコード屋にいくと、目についたCDとか欲しかったCDを6枚くらい、一気に「大人買い」する機会が多いのです。それで、車のBGMを一気にかえてしまう。お金はないけど時間はあった学生時代に、CDジャケット見比べたり、視聴したりして迷って結局買わない、というような買い物は楽しかったのだけれど、それはそれとして、当時夢でもあった「大人買い」くらいはできる収入が今はあるのです。

 大学に入って音楽をはじめたことで、僕の聴く音楽の幅はもの凄く広がりました。自分がコピーバンドとして演るかも知れない、という耳で聴くので、ついついベースのフレーズを追ってしまう自分がいたり。その時々で、特にコレ、というような強い思いは最近抱けないでいるのですが、その分、いろんなジャンルを聴いてみています。

 ちょっと前の僕の車のCDチェンジャーには、綾戸智絵ハイロウズミッシェル・ガン・エレファントが同居していて、「ハイロウズのテーマ」という脳みそ溶けそうなおバカな曲聴きながら鍋が食べたくなったり、信号待ちで「愛と言う憎悪イェー」とか叫んだりしながら大学へ向かっていたのです。その前は何だったか? エリック・サティゆらゆら帝国が同居していたんだっけ?

 ええと、来月頭に、「医学祭」と呼ばれる、母校の学園祭があって、そこの軽音ライブに混ぜて貰うことになっているのです。7月に、市の七夕祭りで演ったライブがたいそう楽しかったので、その時と同じメンバーで。最初枠が一杯で出られないという話だったのが、急遽時間枠が増えたので、あわてて曲決め。昨日の夜どうにか決まったのですが、メンバーが誰もろくにCDを聴いていない状態で、勢いだけで「ACIDMAN」を演ることになったのです。そのまま僕は今日の外勤当直に来てしまったので、まだほとんど音源聴いていない状態です。現時点で、本番前にメンバー全員揃った練習ができるのか未定。まあ、このバンドは「呑みながらで可能な音楽を嗜む」というコンセプトなのと、結局は僕の仕事がいつも汲々なのでこんな感じ。僕以外は、みんな学生なのですが、予定の組みにくい僕のバンドに付き合ってくれるのが本当に嬉しいです。

 七夕祭りの時は、確か2、3回は練習できたと思います。「気持ち悪いのを演ろう」と、呑みながら決定されたのは「ゆらゆら帝国」で、僕だけ長髪の気持ち悪いヅラと、スコッチを用意してみんなで酔っぱらってあがったステージは、自他共に認めるかどうかはわからないけど、僕らの中ではベストアクトで、とにかくとても楽しかったのです。その前の年は「氣志團」踊ったのでした。何やってるんだという感じですけど、いつものかたい話と同様に、これも僕なのです。

 さて、本になった「お医者のタマゴクラブ」に載せているプロフィール写真は、わかる人だけ僕だとわかればいいけど、あまり親しくない人にはピンとこない写真にしようと、横顔でちょっとわかりにくいかも知れない写真を載せました。僕は、サイトに載せている写真のほとんどは、手元にある写真の使いまわしなので、この写真も、いつかの七夕ライブの打ち上げの時の写真なのです。なんだか僕のプライベート写真は、ほとんどが酒を飲んでいる写真で、これもご多分に漏れず、けっこう酔っぱらっている写真なんです。あまり顔に出ないので、それを他人に指摘されることはほとんど無かったのですが、この間一緒に飲んだ泌尿器科医をしている後輩が、おもむろに「この写真、ザウさん飲んでるでしょ」とか言うのでびっくりしたのでした。

 この打ち上げの席には、今や有名になったあるバンドのギターボーカルをやっている男も同席していました。というか、この写真の視線の先にうつっているのがその男で、トリミングしたのがその写真なんですよ。僕は僕なりに音楽に行きづまった時期があって、そんな中で、当時は別のバンドを組んでいた彼が、後に、まだ売り出し前に偶然再会したライブハウスで、今は何をやっているの、という僕の問いに「音楽一本です」と答えていたのを強烈に思い出すのです。つうか僕がそんな悩むほどの音楽の高みに達したのか、とか問われると辛いところで、最近は、コンセプトを「嗜む」に修正したりしているのです。音楽を貫き続けて、ほどなく彼らは様々なメディアに登場したし、タワーレコードではポスターになって僕を出迎えていたのです。

 彼らと同じ時期に、「ACIDMAN」は世に出てきたと記憶しています。確か、一緒のイベントも演っていたと思います。彼らは東京へ出ていったのですが、彼の学生時代のバンドのベーシストは、まだ近所に住んでいて、たまに一緒に飲んだりするのですが、件のライブを観に行ったという話をしていたと思います。そしてそのベーシストは、確かACIDMANはあまり好きではなかったのです。今度の医学祭でコピーするかも、とメールしたら「ザウさんのACIDMANなら大好物です」と返事がきたのでした。彼は彼で、お笑い芸人を目指している、らしい。

 音楽の話をはじめると、懐古趣味、内輪受け、自己満足になりがちで痛いですけどごめんなさい。