2003-01-01から1年間の記事一覧

「イン・ラスベガス」-0510-

2001/9/11のテロはもちろん衝撃だったけれど、僕にとってはイラク戦争も衝撃で、イラク人一人の命がアメリカ人一人の命より軽いというわけではないことくらい知っているのです。全ての犠牲者のご冥福をお祈り致します。以前僕がアメリカに行ったのは2000年の…

「似顔絵」-0509-

唐突ですが、わたさんに似顔絵描いてもらっちゃいました。まだ全然面識のない人なんですが。お互いのサイトなんかを読みながら、それなりにその人物像をつくってみたり、メールなどを通してほぼダイレクトにコンタクトがとれるのは素晴らしいと思います。 ネ…

「医者の名義貸しとか」-0508-

医者の名義貸し、ということが問題になっているようです。働いていないのに、働いたことになっているのは確かに問題です。ただしかし、それを問題にするのであれば、本当は働いているのに、しかも強制的に働かされているのに、働いていないことになっている…

「120時間」-0507-

ICU日当直、外勤病院で日当直、ICUで当直、明け、ICUで当直、外勤病院で日勤、別の病院で当直…という地獄のようなシフトがようやく明けました。でも、研修医一年目は、当直とかそんなこと関係なしに、僕のこの一週間なんかよりもよっぽど少ない睡眠時間で、…

「初盆」-0506-

お盆に帰省するのなんて何年ぶりなんだろうか。帰省、といってもとんぼ返りだ。昨日も当直、明日も当直。当直と当直の合間をぬっての一瞬の帰省。今年は、母方の祖父母の初盆となる。 ただ、正直言って、今の僕にとって、これくらいの滞在時間がちょうどいい…

「コンビニで葛根湯を」-0505-

昨今の加熱する医療ミス報道やらなにやらで、患者さんの中には、自分の主張することがすべて認められないと気に食わなくて、なんでも文句を言えばいいと思っている人がいるのです。自分は病気で已む無く受診している弱者であるという顔で大いばりしているの…

「フジロックフェスティバル」-0504-

いままでずっと行きたくて行きたくてたまらなかったのです。日帰り可能な地域に長いこと住んでいながら、その機会をみつけるのが凄く難しかったのです。医者になってからは、たった一日の自由時間を得るのがもの凄く難しくなって、そんな状況は人間としてお…

「死の義務?」-0503-

理想の最期、なんてことを追求出来る人は、実はこの地球上においては圧倒的少数派なのです。 僕がずっと腑に落ちなかったのは、例えば、死んでしまったクジラに対して、とてつもない金を当てて埋葬資金に充てたり、傷ついたイルカを保護するのに、専用のプー…

「理想の最期」-0502-

人一人見送るというのは、とても大変だねえ。昨年の秋、祖父の葬儀に際して、ずっとそうつぶやいていた祖母が、今度は見送られる側になりました。今年79歳になった祖母もまた、僕が今まで診てきた患者さんと同じように、自らの体の不調に気付きながら、それ…

「As a surgeon」-0501-

僕がいま働いているICUでは、毎週木曜日、アメリカ人教師による英語の授業があります。どういう経緯で始まったのかはわかりませんが、英文のケースレポートや、その他自由な英作文を、担当の医者が用意して、それをもとに英語のやりとりをするのです。まるで…

「こんな内科医ですみません」-0500-

僕がそこへたどり着いたのは、全くの偶然であったし、正直、最初はただのコンパ日記としての印象しかなく、第一印象がそれほど良かったとは言えないのですが、恐らく、医者のテキストサイトの中では、最も有名な部類に入る「こんな内科医ですみません」とい…

「72時間勤務」-0499-

大学病院というところは、勤務時間分の給料すら支払わないくせに、ガタガタうるさいことばかりいうところです。不思議な話ですが、月に10回近く当直までしながら働いているのに、大学から支払われる一月あたりの賃金は、僕の場合、二回くらい外勤病院へ出か…

「金沢へ」-0498-

肝胆膵外科関連会議という学会が金沢であって、前にいた病院の症例をそこで発表することになっていたので、水曜日から三日間、出張してました。名前とか雰囲気からすると、その道のエキスパートたちが最先端の話題で議論しあうような場所にも思えるのですが…

「五月病」-0497-

社会の多くの出来事は、もはや僕の与り知らぬところで動いていて、中東で起こった戦争に対して、「何か嫌だな」程度の想いを抱く以上のこともそれ以下のこともなかった自分に少々幻滅したりするのです。流行りの歌は歌えないというよりは、何が流行っている…

「祖母の主治医として」-0496-

今年79歳になった祖母もまた、僕が今まで診てきた患者さんと同じように、自らの体の不調に気付きながら、それを誰にも言わなかったのでした。もう一月も、きちんとした便通がなく、食事もあまりとれない状態になって、周りの人間がそれに気付いて病院に引っ…

「16件の手術と引っ越しとICUについて」-0495-

医者になって三度目の春です。怒濤のような一週間でした。恥ずかしながら、イラク情勢に疎いほうの人間に含まれてしまったと思います。先週は、緊急手術に次ぐ緊急手術で、結局土曜日まで15件の手術を、外科常勤4人でこなしていたのです。木曜日には、僕の…

[医師国家試験」-0494-

きくところによると、今日から3日間、医師国家試験なんだそうですね。受験生のみなさん、頑張ってください。 今、国試を受けても受かる気がしないけれど、受験当時の僕には、目の前でぶっ倒れている患者さんに対応する力は無かったと思います。枝葉の知識は…

「当番病院」-0493-

二次救急の当番病院、という制度があるにはあるのですが、僕の勤める日赤病院の周辺に、きちんとした救急体制をしいていたり、夜間の手術を行っているような病院なんて皆無で、また、日赤の信頼感によって、例え僕が一人で病院に泊まっているような時であっ…

「愛の日赤の罪について」-0492-

僕ら医師という人間は、やたらと職場が移ったり、当直やら検診やらのバイトに出かけたりして、1年間の間に複数の勤務先から給与を得ることが多いので、毎年、確定申告が必要になるのです。昨年1月から3月は大学を拠点に、いくつかの病院に行っていて、さ…

「いまさらながらザウエルについて」-0491-

僕はべつにやましいことを書いているから匿名でサイトをやっているわけではないのですが、そもそも「ザウエル」というハンドルネームが、あんまり匿名になっていない部分があるんです。 ザウエルという犬がいるよ。しっぽがまるで箒のようだ。ハンドルネーム…

「執刀医」-0490-

割と久しぶりに後輩たちと酒を飲みました。工学部の4年生、工学部大学院の2年生、工科大学の4年生、医学部の2年生と4年生。年も学年も大学も学部もいろいろなんですが、音楽とかそういうことがきっかけになって繋がっている人々。みんな試験だとか卒業…

「出版」-0489-

昔から、物を書くのは好きだったんです。はしかにかかって幼稚園を休んだとき、鉛筆で書いた紙芝居は、全くの僕のオリジナルだったのだけれど、久しぶりにいった幼稚園でそれを先生がみんなに披露してくれたとき、級友たちは、そのお話を、「ザウエルくんの…

「冠婚葬祭」-0488-

常に携帯電話の呼び出し音を警戒しながら生活している僕たち医者という人間にとって、親しい人の冠婚葬祭は、なんとか休みを頂いて、病院にはすぐ戻れない場所へ出かけることのできる数少ない機会の一つです。そして、できることならば、おめでたい席へ招か…

「同性愛考」-0487-

ええと、何度か告知しているように、8月の発売に向けて、「お医者のタマゴクラブ」という本を作っているのです。不正確な記述を改めたり、日本語が変なところをなおしてみたりと、出版社の編集と平行して、僕独自の校正作業もすすめています。ネットなどを…

「アッペ、ヘモ、ヘルニア」-0486-

アッペ、ヘモ、ヘルニア。若い外科医がみんな通る道なのです。「疾患を軽く見るな」と、略語で扱うことを嫌う外科医も少なからずいて、だから僕も、手術記事には必ず、「虫垂」か「appendix」といった記述をするのだけれど、とにかくアッペ(虫垂炎=appendici…

「登龍門」-0485-

確か、QB(Question Bankという医師国試問題集)だったと思うのですが、その適当な解説の中でも投げやりなものに、設問とは全く関係ない「PD(膵頭十二指腸切除術)は外科医の登龍門であり云々」という記述があって、国試の勉強をしていた当時、外科を志す数少な…

「マスコミとタミフル」-0484-

何でもかんでも病院にやって来るというのが、そもそもの間違いなのです。なんて言うと、すぐマスコミにかみつかれるんだと思います。しかし、そのマスコミの無責任なこと。ここのところのインフルエンザ騒動も、元はと言えばマスコミが悪いと思わざるを得ま…

「インフルエンザお断り」-0483-

昨日は救急外来の患者がとぎれず、なかなか病棟にも顔を出せない多忙な当直でした。それでも外科系患者は緊急手術もなく、夕方くらいには一時的に途切れた時間もあって、まだマシだったのですが、熱発(発熱)患者が続々と押し掛けた内科系は、当直医師が「こ…

「淡々と勤務する」-0482-

淡々と勤務した日。病棟を回診し、月曜日の予定手術患者に、IVHを右鎖骨下から挿入したりするとお昼を迎え、夕方くらいまで病棟の様子をうかがったり、5月の学会発表の準備をしたりして、帰宅。明日は日当直です。僕らには代休なんて洒落たものは存在しない…

「人事確定」-0481-

先日の医局会を経て、僕の来年度の身の振り方が決まりました。今の病院にもあと2ヶ月。気分はカウントダウンです。 去年の今頃は、大学の外に出るのが嬉しくて待ち遠しくて、手術中に人事云々の話が出てきたりすると、口癖のように「さようなら第一外科」と…