「120時間」-0507-

 ICU日当直、外勤病院で日当直、ICUで当直、明け、ICUで当直、外勤病院で日勤、別の病院で当直…という地獄のようなシフトがようやく明けました。でも、研修医一年目は、当直とかそんなこと関係なしに、僕のこの一週間なんかよりもよっぽど少ない睡眠時間で、病棟バタバタ走ってた気がします。再来月には、外科病棟勤務に戻るのですが、いまICUで勤務している唯一の救いは、こういった「当直」中のみが、気持ちを張って待機してなければいけない唯一の時間で、勤務時間外に携帯電話の音にびくびくしなくていいということなのです。

 時間がたくさんあるときは、その大切さに気付かないものですが、こんな勤務をしてる合間の、オンコールではない当直明けなんていう時間は、帰ってゆっくり眠ったりできないもので、何を思ったか、僕、三連泊の明けに、信州は北志賀高原まで行って参りました。

 学生の時に所属していたジャズ研恒例の夏合宿は、全国的にも音楽系合宿のメッカといわれるその高原で行われるのです。冬はもちろんスキー客が泊まるわけですが、夏のオフシーズンには、いろんなところから楽器を持った学生がやってきます。その合宿の最終日の、発表会兼打ち上げに間に合うように信越道を走り、飲み、朝一番でホテルを出て、ICUで当直勤務。ICUで一緒に働く後輩に「若いですねえ」なんて言われたけれど、毎年だんだんと老いていくのを感じる二十代後半。酒の抜け方も、無理した後の疲労も、野菜の必要性も、ドリンク剤への依存度も、明らかに年を追って更新されていくのです。

 久々の休み。週末は新宿で過ごすつもりです。あの人を飲み込むような巨大な街が好きなのです。僕にはまだ、田舎の良さがよくわかりません。

 追伸。初版の少なさと、出版月の流通の事情から、「お医者のタマゴクラブ」が手に入りにくくなっているようです。書店での注文や、ネットでの注文が、タイミングによっては「品切れ」で扱えなくなっています。どうしても、と言う方は、直販も検討しますので、ザウエルまでお問い合わせ下さい。紀伊国屋とかジュンク堂のような大きな書店では、独自の在庫や流通があるので、比較的手に入りやすいようですので、そちらも検討していただけると有り難いです。