なんで好きなことってすぐ覚えるんでしょうね。好きなことだからそれを学ぶこと自体が苦にならないから、なんて簡単に片付けてませんか。本当にあなたはそんなに繰り返しモーニング娘。のメンバーの名前を暗唱したんですか、徳川将軍の名前を何度もノートに書いたように。ほら、好きなことは別に反復して覚えようとしなくても、割と簡単に長期記憶になってるじゃないですか。
覚える覚えないというよりも、その記憶のしまってある部分に到達する道をつくるかどうかが重要なんですよね。好きなことを覚える時には、アドレナリンとかバカバカ出ていて、簡単に道路(シナプス)が開通するようになっているんですよ。逆につまんないことを覚えるときは、やる気のない工事夫が、一人で細い道をつくってるだけなので、何度も刺激してやらないと、記憶に到達できなくなってしまうんです。
ゴロ合わせってありますね。医師国試用につくられたゴロ合わせ集なんていうのも市販されているのですが、結構無理矢理なゴロも多くて、そのゴロ自体が覚えられないってことも良くあることです。ただ、そのゴロを作る時点から始めてみると、自然そのゴロは自分の興味深いものをもじったゴロになるわけで、ゴロをつくる時点でアドレナリンが出まくるわけです。もっと手っ取り早いのは、既に完成している道をそのまま利用するという奴で、例えば既に長期記憶が出来ている、日光線の駅のホームに、解糖系の物質名をひとつずつ当てはめていくのです。鉛線以外の人に日光線の駅とか言ってもわかんないでしょうが。
ちなみに、僕の大学でのゴロ合わせ熱は、甲状舌骨筋は面白いでーす(ラテン語、オモヒオイデウス)に始まり、上腸間膜(メゼンテリカスーペリオール)の、メンゼンテンパイスーアンコで火がついて、生化学での麻雀ゴロオンパレードに至り、めでたく、他人には使えない、無理矢理なゴロ合わせが量産されていったのでした。その無理矢理ゴロ合わせを作る課程が、僕にとってはそのまま効率的な勉強だったのです。
そして、ふと気付いてみると、その時観ていたテレビで流れていたCFとか、その時食べていたお菓子とか、全く相関しない事象と、学習した内容が、結びついていることが良くあるのでした。昨日眺めていた心臓脈管系の内容は、めでたくその時降っていた雪のイメージと結びついていくのでした。そして、雪と共にイメージが溶けないうちに、さっさと明日の試験を終えようと思うのでした。