「胃を知らない僕」-0378-

 温泉にいったりベースを弾いたりしているうちに、1月も終わってしまいますね。2月くらいからは国家試験受験をもう少し意識しようと思うのでした。

 試験情報の合間をぬって学年のメーリングリストに流れて来ていた「卒試打ち上げ旅行」の計画は、今週の頭に実現されたのでした。草津に一泊二日。大学の北門にとめられたバスには大量のアルコールが積み込まれ、大学に出入りする下級生達に不審がられながらバスは出るのでした。ぱっと見た感じでは、修学旅行みたいですが、暴走をとめてくれる引率の先生は存在しないし、どちらかというと暴走を煽る感じの面々は、バスが走り出して間もないうちから、缶ビールのプルトップを起こし、泡と喉を気持ちよく鳴らすのでした。

 合宿に使いそうな感じの宿に入り、とりあえず飲み部屋の指定と自分の部屋の確保をあくまで適当にこなした後は、とりあえず湯畑を経て露天風呂まで雪道を歩き、大勢の同級生達と同じ風呂に浸かるという、よくありそうで実は6年間ほとんどなかった経験をしながら酒を抜き、来るべき宴会に向けて、新たにアルコールを入れる余地をつくるのでした。

 夕食でとりあえずビール。片付けて同じ場所で流れるように宴会なのです。同級生が大勢で、車の運転とか帰宅とか明日のことを心配しないで一堂に会してひたすら飲むというのも久々の経験です。誰が考えたのか知りませんが、くじ引きをして席を決めたり、妙に小ネタが仕組まれていたのでした。「とりあえず飲みたいね」の一言で、ゲームをして負けた奴が飲むという、いわゆるコンパゲームが始まるのです。

 当初普通のゲームだったものが、山手線ゲームで「医学ネタ」を振ったあたりからいろんな意味で真剣になってきました。「人間の臓器の名前」が僕に回って来たときに、まだ「胃」でも「大腸」でも何でもあったのに咄嗟に出てこなかったりして負けたゲームは、ゲームに負けたというよりも、何かもっと基本的なことに負けた気がするのでした。悔しいので、「人体がつくるホルモンの名前」というネタを振ったら3人くらいでとまり、「他にはさ、エストロゲンとかさ」なんて言い出す僕に、隣に座っていた奴は、「偉そうなこと言ってるけど、胃が言えない奴だからな」と呟くのでした。ご尤もです。

 その後、テスト中に仕込んでいたネタの披露が、わざわざ持ち込んだスピーカーからBGMを流しながら行われました。「学年で一番○○なのは誰?」というアンケートが卒業試験最終日に回収されたのですが、その集計発表は、出だしの「格好いい人」とかいう類のものこそまともでしたが、しだいにキワドイ内容に。ちなみに僕は、圧倒的支持をえて「白衣の似合う人」部門で文句無しに優勝だそうです。謹んでお受けいたします。

 草津から帰ってきてからはベース弾きの毎日。明日はジャズ研の引退ライブなのです。