10:10p.m.「6年も通うわけ」-0031-

 ニュースステーションでは、日債銀破綻関連。俺の財布も破綻。3年間教えた家庭教師のバイトも今日で終了した。家庭教師の条件も、この不況下で、非常に厳しい。

 あっという間に受験が目前になっちゃいましたね、とその教え子は言う。あっという間さ。怒濤のように今年の講義も今週で終わる。すぐにテスト、それを乗り切れば進級…だ。

 要点だけをまとめたテキストと問題集が存在したとして、一回のテストに1ヶ月を要するとする。その勉強にも1ヶ月かけるとして、1年で前後期二回のテスト、テストの間には1ヶ月の休みを入れるとすると、1年分は6ヶ月で終わるから、医学部6年の過程は3年で済む。

 だいたい医学部が6年であるという理由は、本当に量が多いという理由だけなのだろうか。普通より2年多く勉強したふりをして、患者さんを診てもいい気になってるのかも知れないとふと思った。患者さんの側からしても、6年学校に通ったということを前提に体をあずけるのではなかろうか。

 ストレートに卒業して、医者になれるのは24歳。さすがに多少の分別のつく年だ。社会に出る年を微妙に調整されてる気もする。所詮医学生の大部分は世間知らずの変態ヤローどもさ。こんなマニアックな閉鎖社会に閉じこめられてるんだから、絶対どこか変になるって。不気味なスライド見ても平然と飯食うさ。某ファミレスで解剖のカラーアトラス、しかも実写のやつを開いた同級生の女の子には、さすがに「それはやめてくれ」と言ったけど。

 そんな俺らを一般社会に放り込むためには、4年じゃ足りないのかも知れないね。甘えるなって言われればそれまでなんだけど。