2004/5/8(土)「日記書けない」-0568-

 ちょっと前から、日刊タマゴクラブが重くなっていたのです。個人サイトなんて、基本的には、無責任な情報の垂れ流しだと思っているのですが、それでも医者と名乗って書き綴るものであれば、あまりにも公共の福祉からはずれたことは慎むべきだし、誤った医療知識を載せるのもいただけません。かつて「献血に行くと感染症の有無を調べてもらえるから、感染症が心配な人は献血へ!」みたいな信じられないことを、自身のサイトで喧伝していた整形外科医がいましたが、そういうのははっきりと罪だと思います。

 日常を書くという、日記本来の意味に則るとしても、僕は生活のほとんどが病院での患者さんとのやりとりであるし、もちろん守秘義務とかプライバシーとか考えれば、そういった出来事の大部分はサイトにのせるどころか、他者に話すということすらできないわけです。

 ただ、もはや匿名としての意味はほとんど持っていないながら、僕自身を「どこかの病院で外科医をしているらしいザウエル」であるとし、特に病院内での出来事はかなりぼかしたり、場合によっては事実を曲げない程度に脚色したり、一般論のような話にすりかえたりした上でテキストにしていました。

 かつてはネットの隅っこでひっそりしていたサイトが、長く続けていればいろんな人の目にとまり、もう身内にどれくらいばれているのか想像もつかない状態でもあり、そろそろ、日記形式での医療記述は限界だな、と思っているのです。まあ、かなり前からすでに日記にはなっていませんが。

 そんなわけで、気分転換にはてなダイアリーなんてはじめてみたのです。本当にメモ書きのようなつもりで、その時に興味を持っていたことを羅列するだけ。こういうのを公開する意味があるのかとか、そういう難しいことも考えないでおいて。

 日刊タマゴクラブ自体を終わりにするかどうかは未定です。はてな中心に更新しながら、医療記述を「お医者のタマゴクラブ」として抜き出すとか、いろいろ考えてみたのですが、まあ、しばらく適当にやりながら、サイトの行く末考えてみます。

 どうせならザウエリズムから完全に離れて、別の日記でもはじめれば、もっといろいろ書けたのかも知れませんが、やっぱり性にあわないみたいです。実生活で自分の存在を容易にリセットできないように、僕がネットを仮想現実というよりは、現実の延長と考えていて、便利なコミュニケーションツールであると考えている以上、ネットでの人格とでもいうべき「ザウエル」をそうそうリセットできないのです。