「自費で宜しく!」-0277-

 「いつも苦労かけてすまないねえ」「お父ちゃん、それは言わない約束でしょ」に見られる肺病って、要は肺結核なんでしょうね。いまポリクリ(病棟実習)でまわっている3内の病棟に連続して、TB(テーベー=結核)病棟が存在するのですが、壁一枚隔ててカンファ室で、しかも「解放厳禁」とかかれた扉が割と開いているという事実にどきどきしているのです。

 と言うのも、自分がもしかしたらツベルクリン陰性かも知れないからです。今頃になって、最近になって忘れかけられていた結核が、また流行のきざしにあるということで、学生にも全体のツベルクリン注射実施が掲示されたのです。まさにポリクリも終わろうとしている「今頃」という感じです。3内の教授のレクチャーの後、その話題になって、「接種うけないと来年度の実習はさせないって書いてありました」と言ったところ、「どこに結核の患者さんがいるかわからないからねえ」だそうですが、それは今年だって同じことです。ちなみに、ツ反陰性に伴うBCG接種は自費で、との暖かいお言葉。

 そういえば、昭和50〜52年生まれの人が受けたポリオの予防接種は、なんだか薄かったらしくて、抗体価が低いらしいのです。これも確率の問題なので、薄かろうが抗体を獲得する人もいれば、ほかの年齢の人でも、ある割合で抗体価が低い可能性はあるのです。ちなみに、これも厚生省のすすめで、該当者は「自費で」接種しろということですが、国で責任もって再接種させろよ、なあ。

 ポリオはもう忘れてしまったかも知れませんが、小さい頃みんな受けてます。子供が受けるものです。某後輩が、自費接種後、思わず「お酒って飲んでもいいんですか?」と問い、「え? データもないし…とりあえず控えてもらえるかな」と答えられたそうです。酒のリスクはデータとしてはでていないでしょうが、接種後しばらくは排便にウィルスが含まれるわけで、酒とか飲んで下痢したりするのは避けてほしい、ってのが答えらしいです。同じ理屈で、一緒に生活している人は、一緒に接種しないと、抗体価の低い人は、同居人の接種によって、逆に感染のリスクが高くなるわけですな。

 本筋の3内ポリクリのレポートはANCA関連腎炎。珍しくもう完成しています。