年齢による医学部不合格

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050701-00000089-mai-soci

 訴状によると、主婦は今年度入試で医学部医学科を受験したが不合格となった。群馬大に個人情報の開示を請求すると、主婦のセンター試験と2次試験の総得点が、合格者の平均点を上回っていたことが判明。
 入試担当者に説明を求めたところ、55歳という年齢が問題となったという説明を非公式に受けたという。

各所ですでに述べられているように、医学部というものが、大学本来の形である学究の場というものではなくなっているということが問題の根底にあります。毎年ある程度決まった数の医師は社会に供給されなくてはいけないし、医師になるには原則大学医学部を卒業して、国家試験を受験しなくてはいけません。
大量の税金を投入して養成した医師は、極力長く働いてくれたほうが効率がいいのは確かで、高年齢による入学には、年齢分のハンデは伴います。これは、近年ひろく進められてきた学士入学制度にも共通の問題点であり、彼らが、若くして医学部に入学してくる人間と全く同じ働きしかしないのであれば、あくまで若い方が有利です。彼らは、その分、社会人経験や、他分野での経験によるアドバンテージを期待されているわけです。厳しいようですが、現実だと思います。
そういう意味では、医学部入学の年齢制限っていうのはありだとは思います。ただ、今回の大学側の対応はまずいと思います。根拠が曖昧だし、非公式に微妙な回答をしているのも問題です。
前述のように、年齢はやはり職業上のハンデにはなるので、最初から、年齢制限を設けるとか、年齢によって合格判定が不利になるということを、きちんと公表しておくということであれば、差別にはならないと思います。そうでないのならば、入試の得点で一律に合格を決めるしかないでしょう。
参考URL追加
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050705/mng_____tokuho__000.shtml