わりばし死亡事故、禁固1年を求刑

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051114-00000205-yom-soci
この事故以降、医療バッシングの大きな流れが始まったように記憶しています。
以前述べたように、このような事故が「刑事事件」として扱われることに、強い違和感を感じています。
http://d.hatena.ne.jp/zaw/20050616#p2
ところで、僕は、学部5年生の救急部でのポリクリ(臨床実習)の時に、次のような文章を書いていました。

 例えば、僕の当直中にやってきた頭痛を訴える中年女性。話をきいて様子を伺う限り、酔っぱらって転んだというところで、八割方何でもないだろうと思ってみても、頭を打っていれば何が起こるかわからないし、とりあえずは、輸液でも入れながら様子を伺って、数時間おいて何もなければ帰ってもらうということになるのだそうです。割り箸が脳に突き刺さっていた子供が死亡した事件などは記憶に新しいですが、割り箸を見落としたこと自体は、画像に現れ難いものだし、ミスとは言い切れないかも知れませんが、医師の「大丈夫です」という発言は不用意に発することはできないという教訓を与えてくれるのです。厳密に言えば100%大丈夫なんていうことはあり得ないのですが、医師の側から積極的に情報を引き出したり、脳や心臓の絡んでくる、急死の可能性を秘めたおそれのあるものに対しては、容易に患者を帰したりしないほうがいいでしょう。「大丈夫です」と「大丈夫かとは思いますが、今の時点では分からないこともありますので、可能ならば一晩入院されたほうがよいかと思います」という二つの説明、受け止めるほうにとっては、天と地ほどの差があるでしょう。

参考。不当起訴された耳鼻科医を支援する会
http://erjapan.ddo.jp/index.html