手技

身近の研修医には言わないこと
http://d.hatena.ne.jp/tobiqsec/20051207#p1
 まあ、自分の研修医時代を振り返ってみても、やたら手技をすることにこだわっていたようなところはありますね。できる手技を増やすことが、わかりやすい医者としての成長でした。
 さて、早速話が脱線しますが、僕らの時代、外科研修医が初めて挿管する機会は、指導が受けられない緊急事態であることが多かったような気がします(とぼかして攻撃をさけてみます)。平和なはずの当直病院で起こった心肺停止とか。あるいは、例えば救急車で運ばれてきた、端的にみて明らかに死んでいるような人間に対する、ポーズとしての蘇生行為としての挿管とか(こういうことを書くと怒られるんだろうか)。すなわち、しっかりと筋弛緩剤を使って、鎮静剤を使って挿管するという経験よりも前に、心臓マッサージの前に行う挿管をしなくてはいけないことが多かったように思います。ポリクリ(臨床実習)のときに教わった挿管を必死で思い出しながら。僕がきちんと挿管を教わったのは、研修医2年目の常勤病院で、麻酔科医のご好意で、外科の全麻症例に挿管させてもらったのが初めてだったと思います。
 ちなみに、点滴や採血の手技なども含め、系統立てて初めて教えて頂いたのは、医者3年目に3ヶ月だけ麻酔科で研修したときでした。外科の中では、なんとなく修羅場に巻き込まれているうちに覚えろとか、職人の如く技を盗め、というような風潮があったような気もします。すぐに患者さんに対し、命に直結する結果がでる世界で、失敗を繰り返して覚えろと言ってきちんと教えないというのは罪だと思っているので、そういう意味においては、新研修制度は、「基本的な手技を教える」という姿勢を示したという意味においては、価値があったのかも知れません。その理念がうまく動いているかどうかはよくわかりませんが。
 ジェネラリストを目指すならば、麻酔科の手技というものは、蘇生と生命維持に必要な基本的なことがほぼ網羅されているので、早期に身につけるべきものだと思います。また、全身麻酔の手順というものにも、ある程度パターン化された流れがあるので、非常に指導しやすいものだと思います。無論、麻酔科医の目からみれば、そんな単純なことではないのは承知しているつもりです。
 外科とか内科とかに放り込まれて、無数の疾患を扱うことになって途方にくれているのは、研修医だけではないと思うのです。その研修医に何から教えてよいのかわからない上級医たちも同様に困っています。そして、そのまま新研修制度がスタートしてしまったという話。どの科で何を教えるということが全くもってきまっていないのが現状です。
 さらに話を脱線させますが、麻酔科時代にいろいろ思うことを綴ったものをまとめて再録。
 わー、最近書き殴りのような文章が多いなあ。まとまらないまま失礼します。