大学院卒業の目処がつきました

 id:hibigenさんが大学院卒業を決めるのを横目にみながら、愚痴だかなんだかわかんない近況をだらだらと書いていた僕ですが、本日投稿していた論文のaccept(採用)の通知が来ました。reviseを昨日の夜10時頃投稿したのが、今日の午前10時には返事が来てました。major revision(大きな改訂を要する)とか書いてあった上、レビュワーのコメントに必ずしも全部答えてなかったわりにあっさり通りましたよ。今後、学位審査などがあるわけですが、論文が完成したことでほぼ卒業は確実になりました。前述の近況に書いた如く、僕はあんまり真面目な研究者生活は送れませんでした。id:hibigenさんから「驚くほど同じような状況で、ただ私がid:zawさんと違うのは、残念ながら強い「意志の力」を持ちあわせなかったことだと思いました。色々なものの板ばさみで苦しい4年+1年でした。まだ終わってないけど…。」というコメントを頂きましたが、別段強い「意志の力」があったわけではなく、強いて強い意志というならば、研究からの逃避という強い意志でもってあまり有意義とは言えない大学院生活を送ってしまいました。
 今年度の学位審査は終了し、うちの大学では3ヶ月刻みで卒業認定を行うため、6/30卒業見込み(四年三ヶ月卒業)となります。こんなんで博士号をもらってしまうことが、他の多くの真面目な博士のみなさんに申し訳ないような気がしないでもないのですが、まあ、研究から逃避したなりに、それなりの結果をまとめて、査読のある海外誌に認めて頂いたので、その証として大切に押し戴きたいと思っています。
 今回論文にまとめたデータが、僕の大学院生活の中でのほぼ唯一の研究結果で、いままでの研究発表や研究費の申請をそれだけで乗り切ってきました。癌研究においては、遺伝子解析や新規抗癌剤の開発を目指した研究というのが主流になっていますが、タンパクの局在を観察するための古典的手法である免疫染色、それも論文に使ったデータは一つのタンパクだけです。数年前は、そうした論文がたくさん掲載されていましたが、近年は免疫染色単独だとなかなかacceptされにくくなっていました。そんな中、「免染一発で卒業して、みんなに希望を持たせてあげるよ」と言い続けて、どうにかそれが叶いそうなので感慨深いものはあります。
 ものすごく難しい雑誌というわけではないにしろ、近年の研究のめざましい発達のために、僕の浅い研究では掲載は難しいかなと思いつつ、記念受験のような心持ちで投稿した雑誌だったので非常に嬉しいです。
 今晩、四月からの人事が決定される予定なのです。順番的には疾患チームの中で、僕が大学病院に行かなくてはならないようなタイミングだったのが、僕の大学院卒業が確定していなかったことやその他の理由で、社会人大学院生として、関連病院での勤務ということが打診されており、それが今晩決定されるはずです。思うところあって、大学からは少し離れたいなと思っていたところなので、これは僕にとって非常に幸運でした。大学院の授業料を三ヶ月分だけ余計に払わないといけませんが、うまいこと大学院生活に区切りをつけ、また、希望に沿った形で勤務ができそうです。
 とりあえず祝杯をあげる予定。ワーイ。