令和三年

 あけましておめでとうございます。日本で医者をやってたころは、年末年始に休めるわけでも無く、どこかの病院で年を越すことも多く、海外での仕事を初めてからのほうがむしろ年末年始をお休みとして過ごすことができるようになったというのは皮肉ですよね。新型コロナウイルスに年末年始は無い、医療従事者は休みを返上して対応にあたっている、みたいな報道もされていますが、そもそも感染症流行に関係なく、昔から勤務医はそんなに休めてなかったので、むしろ例年は休めていた、という認識が間違っているような気がするこの頃です。

 今は国境を越えることが色々と厄介で、任国で年を越しました。ここ最近は、友人宅に何家族かで大勢集まって年を越すのが恒例でしたが、今年は断念し、オンラインで少しお互いに顔を見せるのに留まりました。旧年は年が明けて間もなく新型コロナウイルス絡みの対応に忙殺され、某国出張とその後の隔離、臨時便になんとか乗り込んでのアフリカ某国赴任と再度の隔離と、やたら隔離されまくる年でした。

 新型コロナウイルス感染症への対策についてはいろんなことを言う人がいて、医師の中にも世界的な流れからは大きく外れた持論を展開される方がいます。もちろん多数派がいつも正しいわけでは無く、様々な可能性について意見を述べ、新しい道を追求するのは間違いではありません。一方で、感染症対策はどうしても個人の自由が制限される場面があり、「自分はそうは思わないから制限には従わない」ということが許されないものです。皆が協力する必要のある感染症対策について、その足並みを乱す方向へ煽るような医師の発言を見かける度に「人類と感染症との長く辛い闘いの歴史をなんだと思ってるんだ」と思っています。

 任国の感染状況も、現在第2波の真っ只中、外出制限の強化などが行われており、静かなお正月を迎えております。またみんなで集まってお酒飲んだり音楽やったりワイワイできる日を楽しみにしています。どうか皆様におかれましてもご自愛ください。本年もどうぞよろしくお願い致します。