「鬼の棲家と道徳と演劇と日本公共広告機構のアレ」-0052-

 脳外(脳神経外科学)の資料は、一応ざっと目を通した。ただ、結局理解というよりは、ここの疾患の暗記が求められるようなものに関しては、読んだところで何一つ覚えやしない。病名ばっかり次から次へと出てくるから、どれがどれだかわかりやしない。そんなわけで、今日は婦人科でも勉強してみようかと心に誓ってみる。

 心に誓ったとたん、テレビのスイッチを入れると、「鬼の棲家」とかいうドラマをやっていた。ちょっとみただけでかなり不快になったので消した。苦手なんです、こういうの。光差さないような暗い暗いいじめとそれに耐える姉弟。「渡る世間は鬼ばかり」みたいな嫁姑の間の確執とかも最高に嫌なんです、もう、生理的に。「おしん」も苦手でした、そういえば。

 苦手といえば、道徳という教科も苦手です。あんな真面目くさって道徳なんて学べませんよ。NHKの「中学生日記」とかは、あのNHK臭さがたまらなく好きだったりもするんですが。最もこれは別に道徳教材ではないですね。道徳を道徳という教科として学ぶことは必要なんでしょうかね。道徳自体を学ぶ方法って、そういうんですかね。日本公共広告機構あたりがつくる「イジメやめよう」的CMも、あのCM見てるともう恥ずかしすぎてたまりません。もっと、なにか、ないですか。あれ見てイジメやめようと思う奴がいたら、俺はちょっと嫌です。聖書とか仏典とかコーランみたいな宗教的根拠でもあったほうが、まだ理解できます。

 でもまだ、道徳を学ぶという目的のために道徳の教科書を使うのはいいんです。ホントに嫌なのは、道徳を道徳のまま盛り込んだ戯曲です。高校演劇なんかで、そういうストレートな素材を演じたほうが、コンクールで審査員の受けはいいです。新劇とか小劇場劇団の脚本なんかは頭っから否定する審査員もいます。俺は舞台で道徳の教科書は見たくないんだ。舞台でさわやか3組はみたくないんだ。…ということなのですよ。

 敬体と常体が入り乱れるのは、これがあくまで日記だからです。なんか、敬体でしかあらわせない気持ち、常体でしか表現できないココロがあるような気がするのですよ。…気がするのだ。…気がするのでしょうね。…気がするんだよね。ほらほら、全然違うよ。小説書いてるわけじゃないんで、そういうことでご勘弁を願います。そんなわけで、今日は婦人科の勉強をすると心に誓ってみるのです。