「漢方とかインド医学とか代替医療ということ」-0061-

 何故ここ数日、日常を語る日記で無いのかは、テスト前で腐りきった生活をしているからにほかならないのです。夕日の後に起きてきて、朝日の後に寝てしまうので、ハメハメハ大王もびっくりなのです。誰でもみんなハメハメハなんです。活字を追う日常だから、日記のネタも活字の中から。普段勉強しない分、この期間だけで、半期分の知識が流れ込んでくるので、突然、頭が良くなったような錯覚にとらわれるのです。

 昨日突然精神医学について触れたつもりになっているところへ、臨床薬理学の資料を読んでいたら、「代替医療:Alternative Medicine」についてのコラムがあったのですよ。この言葉には前から興味がありましたが、実際どのように行われているかはあまり知りませんでした。ちなみに、イギリスでは補完医療Complementary Medicineと言われてるそうです。エヴァな人が喜びそうな名前です(注:社会現象にもなったアニメ、エヴァンゲリオンの中に、人類補完計画とかいうのがあった。詳しくは知らない)。

 で、代替医療というのはなんでも来いな感じで、中国医学、インド医学といったものから、カイロプラスティックやアロマテラピー、もちろん鍼灸やら、果ては芸術療法なんてのもあります。アメリカでは1912年にOCAM、代替医療研究室を設置、イギリスではチャールズ皇太子の管理下での補完医療、ドイツでは1993年から、自然療法として、国家試験科目になったりと、世界の動きもめまぐるしいのです。

 日本にも、漢方医学という伝統医学があるのですが、中国では、西洋医と東洋医が別に存在する中で、日本においては、明治以降、西洋医のみを医師とすることになってしまったので、誤解の多い中で、西洋医療の中に無理矢理組み込まれた診療が行われているのです。

 そもそも、漢方という言葉は、蘭方(オランダ医学)が入って来た際に、それまでの伝統医学を区別するための呼び方で、中国から入ってきた知識と、日本の知識と経験の積み重ねが、和漢診療を生んでいったもので、理論を叩き台とする西洋医学に対し、漢方はあくまで経験の積み重ねの賜物であって、学問ではないという特徴を持ちます。強いていうなら、治療学なのです。

 惹かれる点としては、西洋医学が悪いところという部分にしか目を向けないのに対して、漢方はあくまで体のバランスを考えるのです。良い悪い、悪いところをとるとか治すとか、そういう考えではなくて、陰陽のバランスのくずれをなおしてあげるというもの。しかし、これは西洋医学万能をうたいすぎたことによるのでしょうが、一般に、漢方は長く使って体質を改善しないと効かないとか、生薬を使うから副作用は無いとかいう、大きな誤解があります。漢方は一週間もあれば効き始めるのが普通で、それで効かないものは処方が間違ってることが多いのです。また、薬効を求める以上、自然のものだろうが何だろうが、副作用の可能性はあるのです。

 昨日の精神科領域もそうなのですが、漢方の領域も、民間療法などとあいまって、胡散臭いものにとらわれがちですが、それは非常にもったいないと思うのです。代替療法の考え方から言えば、効果が認められる以上、民間療法などを医療に取り入れていくのもいいと思います。ただ、ひとつの矛盾としては、漢方を保健適応にするために、西洋医学的アプローチでデータをとらないといけないということがあります。それでも、西洋医学東洋医学、その他の療法が融合していくことが、今後の医学の発展に必要なことは確かです。

 ここらへんのネタは面白いので、日記じゃなくて、そのうちお医者のタマゴクラブのほうで触れてみようかと思ってます。日記はどうせ、テストが終わると同時にバカ日記に戻りますから。