「賞与」-0469-

 医局というなんだか得体の知らないものに属していて、その人事で病院を転々とするのだけれど、見た目には、毎年のように退職と採用を繰り返すという状態なのです。去年は1年間、大学に日雇いで雇われていて、3/30まで契約更新し、国のいろんな陰謀で、強制的に3/31の無職の一日を過ごし、そのためだけに国民年金に加入し、また4/1に新しい病院に就職、現在、僕はこの病院の一年目の職員。ここも3月に退職して、4月からどの病院に勤めるのか、まだよくわかりません。

 そんなわけで、毎年新入職員になるようなもので、例えば、二年目に大学に残るような場合も、やっぱり3/31の一日の空白を強制され、勤続という実績をつくらないようにされるのです。実際に外病院に出ている時間が、大学にいるように計算された給与が激しくバッシングされながら、週に何十時間も働いている、時間外および休日の手当なんて、完全に無視されて未払いだったりするのだし、身分はうやむやにされて、ボーナスなんて払われないし、労働組合が賃金交渉するわけでもなかったのです。

 春にもそういえばはした金をもらいましたが、本日は、人生初の本格的なボーナス支給日だったのです。およそ2.5ヶ月分で計算されたらしいです。ところで、今いる病院は、きちんと時間外を計算してくれます。実は、計算された時間よりも多く働いていると思うのですが、まあ、時間外を認めてくれるというのは、大学時代には考えられない嬉しいことではあります。

 一日平均で、病院では12時間くらいは働いているのですが、そうすると、時間外とかのお金が、基本給よりも高くなるわけで、基本給で計算された僕のボーナスは、毎月もらうお金よりも少なかったのでした。どうせ来年の病院にうつったら、またわけのわかんない計算をされて賃金が払われるのであって、一般的なサラリーマンのように、年々昇給していくわけで無し、また、忙しさと賃金が比例するわけでもなし、なんとも資本主義経済の常識があまり通用しない社会であって、結果、給与明細なんてろくにみていないのでした。

 先物取引だとかマンションを買えだとか、資産運用の鬱陶しい勧誘は、どこで調べたのか、携帯電話にもかかってくるのだけれど、もし、金儲けを考えるなら、勤務医のような理不尽な世界はないわけで、もっと別の道を歩んでいると思うのです。別に僕や僕の家族が生活に困らないのなら、僕の給与収入以外に、お金を増やすことに頭を使う必要は無いと思うのでした。