「人質解放おめでとうございます」-0564-

 僕は正直言って、イラク情勢よりも、自分が手術した患者さんの安否のほうが100倍以上気になるわけですけど、どっちが正常な心境なんでしょうか。だから僕は、今現在、研究で100万人の患者さんを救う術を見つけだすことよりも、何時間もかけて目の前のたった一つの悪性腫瘍を取り除くために手術をする臨床家であることが魅力的なのです。もちろん大局を見据えるというのは大事なことだと思うけれど、目の前の小石に躓いて死ぬことだってあるわけで、みんなそれぞれやるべきことをやるということがとても大切なんだと思うのです。

 で、僕の目の前のこと。

 月曜日は病棟業務とかいろいろ。夜は救急病棟歓送迎会、その後上司二人と場所移動して仕事のこと病院のこといろいろ話す。火曜日は胃カメラと大腸ファイバー。下部消化管内視鏡は、いままでろくに経験したことがないので、是非この病院でマスターしたい。仕事後蒲田で久々の友人とご飯。水曜日は早朝抄読会と薬の説明。外来をこなしてそのまま外来手術。病棟へは朝ちょっと行った以外は、結局夕方まで行けない。朝、ブラックの缶コーヒーを飲んだ以外結局飲まず食わず。夜はオンコール。駅前で、外科医やら外科病棟の看護師やらと、やっと本日一食目の食事。今日は保存的に経過をみていたイレウス症例が改善をみせないため、緊急手術に踏み切る。術後みて、明日のカンファの準備して、久々にまっすぐ帰宅。明日は早朝術前カンファレンス。病棟業務と検査。外来手術数件。手術説明数件。

 そういえば今日は給料日だった模様。この病院は基本給先払いなので、4月分が今日支給。あっという間に2週間が過ぎているのです。あと2週間もすると僕はまた年をとるのです。