コメント、追記

 なんだか僕の与り知らないところで、僕のテキストも引き合いに出して変なまとめがされたりしているようなので、まるで僕がそういう風に連んで、そういう主張をしているかのようにとらえられているようですけれど、全くもって心外です。
 結果的に特定の個人一人が責められるように「祭り」が進行していったようですけれど、僕が先日書いた「コメント」に関する雑感は、別段、特定の個人に対して書いたことではないのです。
http://d.hatena.ne.jp/zaw/20060117#p1

 しかし今も昔も、本当に分かって欲しい人々にはこういう意向は全く伝わらず、かえってそれに対して二次言及なんてしてみて失笑を買い、全く気にする必要のない良識のある人々が、必要以上に萎縮してしまうものなんですよね。

 結局僕の今の気持ちは、これを繰り返すしかないですかね。そして、敢えて誰か特定の個人に向けたメッセージなのだとすれば、僕の意図する相手は、現在攻撃されている人物とは異なったところにあります。
 抽象的な表現をして、適当にお茶を濁すと、また、意図しない拾われ方をして、新たな火種になるだけかも知れないので、正直に書いておくと、僕もたしかに、ゆり(id:Medicine)さんのコメントに違和感を感じることは多かったです。先述のコメントへの雑感で、名乗りもしない人に非礼を感じるという記述をしていましたが、まさに、そういうところで僕に違和感を感じさせたことは確かです。
 別にコメントやメッセージを送って下さる相手が、詳細なプロフィールを明らかにする必要はないですし、サイトを持っているかどうかもどうでもよいことです。きちんと身分を明かしたやりとりをするのならば、ネットというところは不向きですし、サイトを持っているということが身元を確定することではありません。サイト通して、なんとなくの人となりがみえてくることで、より親密なやりとりができる、ということはあるかも知れませんが、別に、ネット上で皆が皆、詳しい身上を明らかにすることはないと思っています。そういった匿名性に魅力を感じて、ネットをさまよっているわけですし。
 まあ、ネットのマナーというものに絶対的なものはないし、「公共の福祉」というものが曖昧なものであることも確かだし、「空気読め」って言われても抽象的すぎるし、結局はある誰かの価値観にすぎないということは理解しています。その中で、自分が楽しく自分のサイトを運営するために、ある程度のルールを設定してもよいとは思います。コメントに全て返信するのも、気に入らないコメントを削除するのも自由です。ローカルルールを主張するのも自由だと思いますので、そう言う意味では、「無断リンク禁止!」と叫んでいるところに、わざわざ嫌がるリンクをはることはしません。もちろん、インターネットの意味を考えれば、「無断リンク禁止」という主張がおかしいな、と思いはするのですが、だからと言って、人の嫌がることをしてまで、多数派の「正しさ」を押しつけるほどのことはないと思います。確かにサイトは、世界に発信され、公共性のあるものですが、個人で運営するほとんどのものは、単なる趣味、あくまで個人的なものだと思うのです。
 さて、サイトの運営方針はいろいろあるでしょう。中には、完全匿名でのコメントをよしとするところもあるでしょう。僕のサイトでは、そういえば明言はしていませんでしたが、「名乗って欲しい」と思っています。無論、ブログツールでコメント許可にしているわけで、気軽な単発コメントを拒否するということではないです。プロフィールを詳細にするということではないのですが、頻回に訪れて、ああいった形で相当砕けた語りかけをしてくるのであれば、「初めまして、○○です」という一言が必要かと思うのです。無論、名前の欄にハンドルネームをいれているのだから名乗っているではないかと言われればそれまでですし、これが絶対的なマナーかと言われれば違うのでしょうけれど。
 id:Medicineさんが、ここへ書き込みして下さるようになったのは数ヶ月前だったかと思いますが、包み隠さず印象を申し上げれば「ある日突然あらわれて、僕の意図するところとは少しずれた長いコメントをする方」というものでした。そして、これは言葉の文化の違いなのかも知れませんが、僕としては全く知らない相手なのに、いきなり「ザウエル」と呼び捨てにされ、もともと親しい間柄というわけではないのに、いきなり馴れ馴れしい口調で、少々偏った持論を展開する方という印象だったのです。ですから、コメントを頂く相手としては、正直苦手な部類でした。これは良い悪いの問題ではなくて、単なる個人的な印象の問題ですから、本来、わざわざあれこれいうべきことではないと思います。
 やはり、最初に「初めまして」と名乗って頂くとか、日本語が苦手なのであれば、その旨をあらかじめ表明して頂ければだいぶ印象は違ったかも知れません。日本語が苦手というのは、僕は全く知らない情報でしたし、日本名で日本語でコメントを頂ければ、日本語を解する方だと認識します。これを「日本人的気難しさ」と言われてしまえばそれまでなのですが。英語と日本語では、敬語や敬称の扱いが相当異なりますが、僕にとってはこれは大切な文化です。まあ、日本人といってもいろいろなので、これがスタンダードだと断言はしませんけれど。
 日本人とひとくくりにするのは意味がないといいながら、こういうことを言うのは矛盾するようですが、英語圏の人間は、英語という世界共通語は誰でも使えて当たり前だと思い込み、また、欧米的価値観をグローバルスタンダードだと勝手に思いこんで、それを違う文化圏にもそのまま持ち込み、それにあわないのは相手が遅れている、と思うようなふしがあります。少なくとも、僕はよくそういうことを感じます。ですから、あくまで日本語を母国語とし、日本語でテキストを展開するところへ、英語でいろいろ書き込まれると、なんとなくそういった押しつけのようなものを感じることは確かです。無論、これは好みの問題であり、そういったコメントがいけないということではないのですが、id:Medicineさんが日本語の微妙なニュアンスを解さないように、僕は、id:Medicineさんの書き込まれる英語の正確なニュアンスが分からないことが多いのです。また、日本人は確かにカタカナ英語や和製英語を濫用しますが、これに噛みつくのは、完全に揚げ足とりだと思います。これらは英語圏からみたら愚かな用法なのでしょうけれど、ほぼ日本語に自然に混ざってしまっているので、かえってそれを一切使わないほうが不自然なのです。
 まとめると、僕は、id:Medicineさんが「名乗る」という過程がないままに、やや馴れ馴れしい口調でコメント展開することに対して、非礼だと感じていました。内容や英語の書き込みに関しては、礼儀の問題とかそういうことではないと思いますが、好みの問題としては違和感を感じていました。かといって、これは絶対的善悪の問題ではないのです。少なくとも、過剰なバッシングによって、心も傷つけるようなやり方は全く感心できません。今までにも、コメントや自サイト・ブログでの失言をきっかけに、炎が燃え上がって、追い込まれて消えていくサイトをいくつもみていますが、あきらかに反社会的なもの、反道徳的なものでなく、本当にちょっとした弱さ、言葉として表現すべきでない本音を漏らしてしまったことを執拗に攻撃して叩きつぶすという行為は、品がないと思っています。そういう攻撃は、攻撃する側の主張は確かに正しいかも知れないのですが、言葉の誤解やそういうところに対して弁明の余地すら与えないことが多いし、あとから、その正論に乗っかってきて、一緒に攻撃をする人々というのもあまり品がないと感じます。
 今日、こうした内容を書くことは僕の本意ではなかったのですが、已むを得ません。id:Medicineさんに僕が感じているのはこれだけです。これ以上のことはありません。別に医者サイト同士で連んでどうにかしているつもりもありません。そもそも、僕のコメントが意味をはき違えられてとりあげられているというのは前述の通りですし、僕はこれまでもこれからも、単なる一個人としてやりたいようにサイトをやるし、思ったことを綴るだけです。