チベット

 ラサでの暴動のニュースをみながら、数日前のニュースを思い出してみる。 

ステージで「チベット独立」叫んだ歌手ビョーク、当局激怒で法的手段に―中国

2008年3月7日、世界中で熱狂的なファンを持つアイスランドの女性歌手ビョークが中国公演のステージ上で「チベット独立」を叫んだ事件で、事態を重く見た中国文化部は彼女に対し法的措置をとると発表した。

今月2日に上海市で行われたコンサートで、ビョークはステージ上で中国当局から許可を得ていない楽曲「Declare Independence(独立宣言)」を歌い始め、突然「チベットチベット!」と叫んだという。これには中国の聴衆も驚き、事件は瞬く間に内外に報道された。

 ビョークを賞賛するコメントに対して、独立を求めてはいないダライ・ラマの視点からすると迷惑なのではないかという意見もあった。しかし、ダライ・ラマは、譲歩に譲歩を重ねた上で、独立ではない高度な自治を求めているというだけの話だと思う。譲歩を重ねてなお、中国側は全く対話の意志をみせていない以上、やはり外から何らかの力が働かなくてはならないのだろう。
 確かに、ビョークの行動自体は、もしかするとチベットに対して良くない結果をうむかも知れない。しかし、国際社会にチベットの弾圧を訴えるという力としては、それなりの効果があったようには思うし、脊髄反射的に「ビョークかっこいい」と反応したっていいと思う。「ビョークかっこいい」だけではすまない事態が、そのほんの少し後に起きてしまっているわけだけれども。