ネガティブコメント?

 はてなブックマークにつけられるコメントって、別にエントリの作者に向けられたものとは限らないと思うのです。まあ、ソーシャルブックマークというもの自体が、誰かに見せることを前提にしているわけだけれども、基本的にはあくまで自分が集めたブックマークと、それに対する覚え書きなんだと思うんですよ。僕がそう思っているだけですが、この解釈が「正しい」かどうかなんて別に問題ではなくて、これは当然、人それぞれ感覚が違って然るべきです。単なるツールですから、自由に使えばいいんだと思います。
 で、僕の感覚からすると、自分のエントリに直接つけられるコメントに対してということならまだしも、ブックマークにつけられる「ネガティブコメント」に対しての否定論ってよくわかんないんですよね。ブックマークへのコメントに関わらず、エントリへのコメント等もひっくるめて、単に「公共の場における下劣な発言」とかいうことであれば、それはもちろん不快なんですけれども、そもそも否定的・批判的なコメント自体が別に問題だとは思いません。素人だろうがなんだろうが、公共の場にさらしてしまったものについては、他人にあれこれ言われるのは当然であり、仕方のないことだと思います。エントリも、それに対するコメントも、公共の福祉に反しない範囲で何を書いてもかまわないはずです。批判コメントだけ否定するということは、「無断リンク禁止」みたいなもので、無茶な話です。ネガティブコメントが嫌だったら、コメント全部を拒絶するしかないわけで、テキストを公開しなければいいだけの話だと思うのです。
 もちろん、どんなことを言うのも自由だというわけではなく、あくまで「公共の福祉」に反しないものである必要があるでしょう。「思う」ことはとめられないけれども、その思いを、覚え書きだとしても公共の場に吐き出すにはマナーはもちろん必要です。これは別段、ネットに限った話ではありません。ただそれだけの話です。ブックマークではなく、ブログで「主張」すればいいのだとか言われても僕には全くピンときません。どんなツールを使って「独り言」を呟いたり、「主張」をしてみたとしても、それはその人の自由だと思うし、ブログがいいとかブックマークがいいとか議論は不毛だと思います。だってこれは単なる好き嫌いの問題ですから。
 まあ、このあたりの「公共の福祉」というような曖昧な部分のとらえ方が、個人によって大きく違うのでしょうし、だからこそすれ違いも生じるのでしょう。
 一括りにしてしまってよいかどうかわかりませんが、日本人は概して議論ができないと言われます。人格否定と、その人の意見の否定・批判というのは全く別のことなのに、それを結びつけてしまう人があまりにも多いような気がします。批判されることに慣れていないから、批判コメントに過剰に反応してしまう。あるいは、批判の仕方がわからないから、ただ単にその意見への批判をすべきところを、人格否定するかのような表現にしてしまう。そういうことなんだと思っています。