投資型ワンルームマンション

 (文末に特定商取引法宅建業法について追記しました。)
 いいかげん電話勧誘規制してくれ。
 職業柄知らない携帯電話番号も緊急の連絡とも限らないので、とりあえず出ておいた方がよい気がするので、一応出はするんだけれど、最近はこちらから声を発しないで様子をみることにしています。自宅の電話に関しては常時留守電設定で、知り合いも基本的に携帯にしか電話してこないので、ほとんどの場合出ません。携帯電話は、番号通知してこないものは拒否する設定にはしてあります。この程度なら、まず業務に支障が出ないので。
 マンション勧誘の電話は、以前は大阪あたりの固定電話からかかってくることが多かったのですが、最近は社員の携帯電話からかけてくることがほとんどで、番号だけだとなんとも相手の素性の判断がしにくいのです。まあ、相手はそういうことを考えた上で、脈がありそうなカモにしか正確な会社名もろもろ知られたくないであろうことと、明らかに心当たりのない地域の固定電話からの着信を受けてもらえないことが多いであろうことから、そういう手を使っているんだろうと思うのですが。
 まあ、基本的には若干の例外を除いて、最近かかってくる知らない携帯電話番号からの着信は、ほぼ100%マンション業者なので、登録番号以外基本的に拒否してもいいかなあと思ってもいるんですけれど。番号変えればいいっていう話ですが、番号変えるのはそれはそれで面倒くさいし。だからこそナンバーポータビリティなんて発想も生まれるんでしょうしね。僕の場合、11年半同じ番号を使い続けているので、もう各方面に番号が流出していることと思いますが、番号変えてもイタチごっこなのもわかってますし。
 普通の電話であれば、とりあえず「もしもし、もしもし」とこちらの応答を待つか、自ら名乗ったりするのだけれども、マンション勧誘の電話は、こちらの応答の有無に関わらずとりあえず何かしゃべり続けていることが多々あります。勧誘成功の有無に関わらず、しゃべった時間で給料がもらえるらしいという噂を聞いて以降は、ああだこうだとやりとりをするでもなく、さっさと切ることにしています。
 昔、最初から一切無言で、電話をほったらかしにしているのに30分後に確認しても、こちらの応答を一切確認せずに、ずっとしゃべり続けている業者もいたし、「昔、昔あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」なんてしゃべっていた業者もいました。通常は無視したり、すぐ切っても、せいぜい1〜2回かけてきて無駄だとわかると「しばらくは」かけてこないものですが、中にはしつこくかけ続けてきて、逆ギレしているようなケースもありました。しつこくかけなおして来る時は、その番号を携帯に登録した上で着信拒否設定をすることもあるのですが、その日は当直中で電話をいじってもいられなかったのと、あまりにも頻回にかけ続けてくるので、「迷惑だからいい加減にして下さい」と告げると、「あんた、住所も名前も知られている相手によくそんなこと言えますね。いきなり家にいったら迷惑でしょ。だから電話してるんですよ。あなたに用がなくても私には用があるんですから。じゃあ、家に行けばいいですか、家に」とか吠えてるので、「好きにしたら」と告げてすぐ切り、しばらく携帯の電源を落とした後に着信拒否設定しておきました。その頃は住所もコロコロかわっていたので、その業者にどの時点の住所の情報があったのかはよくわかりませんが、おそらく正確なものではなかったんじゃないかと思います。ただ、人によってはこういう「脅し」は怖いかも知れませんね。あんまりへんなやりとりをして、業者に宅配ピザ大量に頼まれたりするトラブルの話なんかもきかないではないですし。ただ、マンション勧誘は一応法の範囲内でやってるので、そうやってあまりにも法を逸脱する行為をやるメリットは業者側には無いと思うので、僕自身はあまり心配はしていませんでした。当時当直ばっかりでほとんど自宅にいなかったというのもあります。
 あとは、病院に直接電話がかかってくるケースも多いですね。「当直の先生に替わってくれ」とか言う奴で、慣れない事務なんかが出ると、用件も聞かずに直接回してきますが、そういうのはほとんどの場合業者です。結構悪質で、どこかの病院の医師を名乗って電話してきて、用件を尋ねたり、折り返しの連絡と言っても応じず、とにかくすぐ医師に繋げと言うのが特徴です。真っ当に働いている医師ならば、医師というのが基本的に捕まえにくい職種の人間だというのは知っているはずです。よっぽどの例外を除いて、最初に電話に出た事務や看護師が用件を尋ねても一切答えないというのはありえず、多くの場合すぐには電話に出られず、折り返しの連絡というのをさせてもらっているのですが、入り立ての事務なんかはそんな事情は知らないこともあるし、業者は事情を知ってか知らずか、とりあえず強めに言っておけばなんとかなるとか思って「とにかくさっさと繋げ」みたいな高圧的な態度をとることがあります。
 うさんくさい電話だと思ったけれど、実際は医者からだったということもないではないですが、そんな相手の都合も考えずに高圧的な電話をかけてくる医者なんてろくなもんじゃないので、まあ、電話の応対の時点で業者と疑われて「失礼」があったとしても仕方ないだろうと思っています。
 そんなわけで、僕らも別の病院に電話するとき、特に自分が勤務したことのないような病院(つまり相手方に自分のことがよく知られていない病院)に電話するような時は、所属や名前、用件と相手先をしっかり伝えるわけです。結果的に、事務→看護師→医師というように、同じような話を何回もしないといけない場合もありますけれども、まあ仕方ないかなと思っています。若い医者を常に下にみるような旧世代の尊大な開業医とかの一部に、「俺様が電話して用があるっていってるんだから、とにかくすぐ医者に繋げ」とばかりに、こういうプロセスに対して怒ったりしていることがありますが、そんなのは勝手に怒らせておけばいいんだと思ってます。マンション業者の医者への電話の仕方と全く一緒なので、不審がられて当然です。
 だらだらと書きましたが、まあ、多くの真っ当な感性の持ち主ならば、仮にマンション買うとしても、そんな無礼な態度の業者からは絶対買うものかと思うということになると思うのですが、世の中にはいろんな人がいるのです。「振り込め詐欺オレオレ詐欺」なんかも似たような構図で、初期の頃ならまだしも、ここまで注意が喚起されている今になってもなぜ、あれほどまでに騙される人がいるのかと不思議に思う人は多いはずです。しかし、世の中にはいろんな人がいるのです。
 マンション業者の高圧的な態度が怖くて断れない人々とか、振り込め詐欺にひっかかってしまう人々というのは、はっきり言って厳しいことを言えば愚かだと思います。けれど、悪いのはあくまでも引っかける方です。振り込め詐欺の方は、もう完全に法の外ですが、マンション勧誘に関しては、あんまり効果的な規制が無いというのはよろしくありません。真っ当な感性の持ち主ならば、よもや契約はしないとは思いますが、それでもしつこい電話はスパムメールのように非常に迷惑ですし、実際に自分の意志ではないような契約に至ってしまうような人間が増えていくこともあきらかです。
 ちなみに、うちの実家にも年中怪しい電話がかかってくるようで、両親も、かつてはそういう電話の対応に困っていたこともあったようですが、だんだん耐性がついてきたのと、「振り込め詐欺」の電話が実家にかかったとしても、とりあえずすぐに動かせるようなお金がどこにも無いことから、かつて詐欺風の電話がかかってきたらしい時も「基本的に家にはお金が無いので、そういうことは全部本人にやってもらってますから、必要ならば本人にお金を用意させて下さい」と言って切ったらしいです。実際まあそうなので、本当に何かあったときのための蓄えは、自分で何とかしておかないと。
 で、まあさらにだらだら書きましたが、このエントリの肝は、最初の一行のみ。
 いいかげん電話勧誘規制してくれ。
 追記。はてなブックマークのコメントで「特定商取引法によると、電話勧誘販売は再勧誘禁止」とありましたが、同法は指定商品制をとっており、マンションはその対象ではないと思われます。従って、特商法ではなく、宅建業法の扱いになります。無論、宅建業法でも、1996年3月5日の通達で「(1)威迫行為、(2)電話による長時間の勧誘等により相手を困惑させる行為」は禁止され、その後施行規則にもなっています。再勧誘は明らかに(2)に該当するんじゃないかと思われますが、特商法と違ってはっきりと「再勧誘禁止」という記述のないことや、多くの業者が最初の段階ではっきりと正確な会社名を名乗らなかったり、前述のように固定電話を使わなかったりするため、再勧誘について責めても「自分は初めて電話する」とか、「勧誘する物件が違う」とかなんとかいろいろ言い訳をしてきます。また、勧誘の責任の所在をさらに曖昧にする販売代行業者の存在などもあり、迷惑なマンション勧誘による行政処分の実例は聞いたことがありません。
 個人的には、再勧誘云々ではなく、「何千万円もするマンションを電話勧誘して買わせる」ということ自体が非常識だと考えていますので、面倒くさいこといろいろ考えないで、マンション販売の電話勧誘自体を禁止しちゃえばいいんじゃないかと思っています。そうすれば、一度電話してきただけで宅建業法違反を問えるし、電話勧誘を入り口にした、本意でない契約の違法性について争うこともできるのです。