「CDチェンジャーNOW」-0555-

 菊地成孔を聴きながら通勤すると、朝から落ち着かない気分になります。なんていうの、耳に残るっていうより、頭に、体に残ってしまう快感と不快感、どっちつかずのような重たい空気。誉め言葉として気持ち悪い音楽です。今、僕の車のCDチェンジャーに何が入っているのか確認してみると、

VENDOME,LA SICK KAISEKI

VENDOME,LA SICK KAISEKI

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ONE DAY

ONE DAY

九月の空- Kugatsu No Sola (CCCD)

九月の空- Kugatsu No Sola (CCCD)

LIVE ALBUM (仮)

LIVE ALBUM (仮)

普通の恋

普通の恋

がそういう順番で居座っていました。

 で、病院行って、胃全摘とか肝右葉切除の麻酔をかけました。肝右葉切除も大詰めの頃、BGMに突然

White Love

White Love

がかかりました。何曲かSPEEDが流れたあと、槇原敬之に。手術中のJ-POPは落ち着かないので、僕は嫌いです。術者はなんか楽しそうにリズムにのって手術してました。「普通の恋」とかBGMに手術して、「カッターナイフが必要」とか言うのよりはマシか。

 そういえば以前、大学で手術していた時、後輩の麻酔科医が、

犬にくわえさせろ

犬にくわえさせろ

を選曲していて、とても落ち着かなかった思い出があります。曲数自体少ないアルバムなので、ひたすら「汗っかき、汗っかき」とか流れているので、普段BGMなんてあまり気にしていない看護師さんが、さすがにちょっと不審がってCDジャケットチェックしてました。ちなみにある助教授は、そうしたBGMとは関係無く、ふと気付くと鼻歌とか、歌そのものをうたっています。マイルズ手術(腹会陰式直腸切断術)の、お尻からの操作を二人でやっていたりすると、横から「大阪で生まれた女やさかいー」とかきこえてくるのです。その話を、別の上司にしたら、「俺が印象に残ってるのは、燃焼系アミノ式のコマーシャルソングだ」と。
[rakuten:benkyo:10001240:detail]

 さて、あと落ち着かないCDといえば、以前

Happy Songs For Happy People

Happy Songs For Happy People

を聴きながら運転していたら、危うく事故おこしそうになったので、そのCDはチェンジャーに居座った時間がとても短かったです。6枚全部ゆらゆら帝国入れて過ごしていた日々は、なんだかずっと精神が横揺れしていたような気がします。RADIOHEADとかREMとか、そんなのばっかり入っていた時期とか、くるりクラムボンに占拠されたりとか、NIRVANAFOO FIGHTERSだったりとか、シアター・ブルックとミッシェル・ガン・エレファントが交互に入ってたりとか、もう全く僕のCDチェンジャーには落ち着きがありません。

 えっと、一応フォローしておくと、手術中のくだらない話とか、BGMとかは、リラックスするためにある程度は必要なものだと思います。絶対必要とはいいませんけれど。また、全身麻酔ではなく、脊椎麻酔など、患者さんが覚醒状態で行う手術の場合は、患者さんのリラックスのためにBGMかけたりします。患者さんの希望の曲をかけるようなこともあります。

 そんなわけで、どんな音楽が好きですか、と聴かれるととても困ります。例えばここに挙げたような音楽もだいたいにおいては好きなのです。