澳門訪問記

 えー、先日こっそりとマカオに行ってきました。旅行記みたいなのを書きたいな、と思いながら、結局書かずじまいになりそうだったので、メモというか報告書というか、自分が再訪するための覚え書きというかそんなのをひっそりと記しておきます。香港などに比べ、マカオの情報が極端に少ないような気もしましたので、今後旅行を考えている方の参考にでもなればと。

 マカオ情報は、以下のようなサイトを参考にしました。

Macau Welcomes You

http://macau.client.jp/

 ちなみに、僕がマカオを旅行したのは、10月下旬です。遅い夏休みをもらっての一人旅でした。香港にも行ったことはなかったのですが、それでも香港観光は全く考えておらず、マカオのみ4泊5日というプランでしたので、ちょうどよいパッケージツアーもなかなか無く、また、一人旅にパックを使うと追加料金やらなにやらで結局割高になることも多いため、飛行機とホテルをそれぞれネット経由で手配して旅行してきました。

 飛行機はまあ、どこでもスムーズにとれますので、料金とか受け渡し方法とか支払い方法のお好みでよいでしょう。マカオへは関空からの直行便の計画があるようですが、現在のところ、日本からの直行便はありません(チャーター便などの例外あり)。

澳門航空

http://www.airmacau.jp/

 香港や中国本土からフェリーで入るか、台北などを経由して空港に入るかという選択になります。僕は成田→香港→空港からフェリー(トランジット)という経路を使いました。ホテルの手配は、今回JHCという会社を使いました。ここは、大手旅行社がツアー客のホテルが押さえられなかったときに、駆け込み寺として使うようなこともあるところらしいです。

http://www.jhchotel.com/

 さて、午前便での旅行だったので、できれば空港付近で前泊をと考えてもいたのですが、大学の飲み会があり、一応それに出ておくことにしたので、飲み会の酒が抜けきらないまま、出発当日の早朝の空港バスで成田空港へ向かいました。午前便で香港へ。香港で入国(入境)してしまうと、二度入境手続きが必要になってしまいます。一日4便しかありませんが、乗り継ぎがうまく行くようなら、香港空港から直接出ているフェリーを使うと、トランジット扱いになります。時間的に無理な場合、香港市内からは、24時間マカオへのフェリーが出ているので、それを使うことになります。

 僕はトランジットでマカオへ向かいました。フェリーのチケットはカード(VISA,MASTER,AMEX,DINERS)可でした。僕はこの時点で日本円しか持っていませんでした。結果として、マカオ市内の銀行での両替がもっともレートが良いようです。トランジットで移動できる範囲内にトラベレックスの両替所もあるがレートは悪いです。日本の空港よりはややマシだったと思います。正確なレートは忘れてしまったのですが、確か10000円あたり605香港ドル(HKD)くらいでした。日本だと590HKDくらいだったように記憶していますが、はっきり覚えていません。

 ちなみに、マカオ市内では、中国銀行で10000円あたり648HKD、マカオ市内の両替所で一番よいレートのところが銀行休みの日で639HKD(620HKD前後のところが多かった)、マカオフェリーターミナルの銀行で605HKDくらいでした。滞在中に使ったカード決済は、ダイナースが1HKD=15.9648円(10000円あたり626HKD)、三井住友VISAが15.373円(10000円あたり650HKD)というレートでした。それぞれ、換算日や両替チェックの日が完全には一致していないので、参考までに。

 マカオパタカはHKDより若干安いというレートですが、マカオではほぼ等価として扱われます。無論マカオの通貨はマカオパタカ(MOP)なのですが、香港ドルはほぼそのまま流通しています。その逆は無理です。香港ドルで払うと香港ドルで、マカオパタカで払うとマカオパタカでお釣りがもらえることがほとんどでした。おおむね1HKD=1MOP=1RMB(人民元)という感じ(人民元もだいぶ流通している)。店によっては、HKD表示で、MOPやRMB払いのときは1.03とか掛けて払わないといけないところもあります。等価で使える店では、厳密にはMOPやRMBで払ったほうが若干得することになりますが、再両替の手間などいろいろ考えると、HKDを使うのが一般的かと思います。カジノのチップもHKDとMOPで別扱いです。ちなみに、今はかろうじてHKDが一番強い通貨ですが、近い将来人民元との逆転が予想されているようです。

 だいたい現地時刻で夕方4時過ぎにマカオフェリーターミナル着。フェリーターミナルから各ホテル行きの無料シャトルバスが出ていて、宿泊客じゃなくても自由に乗れます。バスターミナルにもなっているので、普通のバスに乗ることもできます。バスはマカオ内を縦横無尽に走っています。鉄道はありません。マカオ市内だけを走るバスは、2.5MOP、タイパ島まで行くバスは3.3MOP、ハクサビーチまで行くバスは5MOPと、最も遠いバスでも75円程度。お釣りはでないので、小銭がいります。HKDでも、MOPでも、混ぜてもOKでした。

 タクシーはガイドブックには初乗り10MOPと書かれていたが、11MOPでした。メーターは1MOPづつあがっていきます。マカオ内で、一番遠いところに行こうと思っても1時間もあれば行き着く(総面積が世田谷区の半分くらいらしい)ので、タクシーで1000円払うことはあんまりないと思います。基本的には公認タクシーしか走っていなくて、メーターも正確だと思います。チップも不要。トランクに荷物をのせると3MOP加算と決まっているようです。英語は基本的には大きなホテルくらいでしか通じません。かといってポルトガル語も通じません。マカオの人口はおよそ50万で、人口の95%は中国系、広東語を話します。目的地を漢字で書いた紙を持っておくか、広東語を覚えておいたほうがよいです。ホテル名も、英語の名前(ポルトガル語の名前)の他、広東語の名前が必ずあります。ガイドブックなどは、そのあたりが不親切で、広東語の発音が書いてありませんが、例えばSandsは「金沙」と書いて「カムサ」、Wynnは「永利」で「ウィンリー」、リスボアは「葡京」で「ポーケイ」でした(間違っていたらご指摘下さい)。厳密には中国標準語の四声に対し、広東語は発音が九声あるようですが、まあ、発音のおかしな日本語が通じるように、声調がある程度間違っていても、なんとか通じるようです。僕は例によって、数字と地名、挨拶、簡単な名詞、「ください」「どこですか」「ありがとう」といった基本表現だけは覚えて使ってみましたが、それなりに通じました。タクシーも一度以外はメモ無しで通せました。

 到着後はとりあえずホテル行きのバスへ乗り、宿泊先のWynnへ。ちょっと街をうろうろしたあとは、ホテルのカジノへ繰り出しました。カジノの中に入っていたRed8という中華料理の店でピータンの入った中華粥と、豚の角煮の入った饅頭と、マカオビール。マカオビールはキリンビールの中国工場の製品でした。


 当初、全く予定らしいものをたてていなかったのですが、初めてのマカオ世界遺産も含めて、効率よく観光もしてみたいと思い、出発直前に、現地発のツアーを申し込んでみました。サイトの更新が滞っていて怪しいことこの上なかったのですが、ツアー自体はいたって普通でした。香港からパンダバスのツアーを申し込むと、マカオでこの会社に引き継いで、観光するようです。
http://home.macau.ctm.net/~sctravel/

 そんなわけで、滞在2日目は、途中までツアーにのっかっています。媽閣廟(マカオの語源)→セナド広場→聖ドミニコ教会→聖ポール天主堂跡→モンテの砦→ワイン倉庫(ポートワイン購入)→昼食(ポルトガル料理?)→マカオタワーというような流れ。

 ビンテージポートワインの他、ポルトガル製法のカステーラ(日本のものとは違う)を、ツアー中購入したので、多少ぼったくられている可能性は否めません。まあ、ガイドが「購入して頂けると、ガイドの貴重な収入になります」と正直に言ってるあたりも好感が持てたのと、ビンテージワインに関しては、後で探すのも大変だと思ったので購入しました。その後一人で町歩きしたり、帰国後ネットで調べたりしましたが、いずれにせよ、日本で買うことを考えると、かなりお値打ちでしたし、そもそも、それなりのものはなかなか手に入りません。マカオも、ポルトガルから中国に返還されてしまった今、だんだんに結びつきが弱くなっていくでしょうし、関税などの優遇もどう動くかわかりません。ポルトガルワインが手軽に買えるのはいつまででしょうか。

 その後、マーガレット・カフェ・ナタでエッグタルトを賞味。散歩した後、カジノ(リスボア・ウィン)へ。出国前に調べたところによると、週末にはカニロームでドッグレースが行われているということだったので、ダメもとで適当にドッグレース場へ行ってみると、ちゃんとレースが行われていたので、見よう見まねで参戦。5レースくらい購入して、そのうち3レースは的中しました。その後再度カジノ(サンズ)、夕食にマカオ料理として有名なカレー蟹を食べましたが、これ、相当手が汚れる食べ物ですね。

 滞在3日目は、バスを使っていろいろふらふらしました。タイパ島官也街(食街)、マーケット、ピノキオで昼食(ウナギのチョコレート焼き・ポルトガル風ライス)→入域ゲート(旧国境関門)→ハクサビーチ→ウィンのカジノ内、RED8で夕食。ご飯にローストダッグがのってるやつと、マカオビール。

 4日目。鼎泰豊で雲呑麺と小龍包→セナド広場で牛乳プリン。マカオで一番有名な牛乳プリンの店がセナド広場の入り口のところにあって、牛の看板も出ており、ショーウィンドウにはプリンが山積みにしてあるのですが、いくら探してもメニューに牛乳プリンがみつけられなかったので、とりあえず、「ヤッコー(1個)ガウナイ(牛乳)ボウディン(プリン)ムコイ(ください)」といってみたら無事出てきました。英語メニューとかあるのかどうだか知りません。

 その後、バス乗ったりしていろいろお散歩、完全に現地人しかいないような地域に迷い込んで、スーパーでワインを買ったりしてみました。このスーパーは、滞在中、唯一香港ドルの硬貨お断りの店でした。香港ドルで払うと、値札の1.03掛けくらいの計算をしてくれて、お釣りの紙幣も硬貨もパタカという、マカオではおそらく少数派の店。夕食は、セナド広場近くのポルトガル料理店でシチュー。一人でちょうどよい量のメニューがなさそうでした。大勢でいけばいろいろ食べられて楽しそうな店でした。本当はアフリカンチキンなんかも食べたかったのですが、シチュー単独でもすさまじいボリューム。なんとか食べきりましたけど。あと、スペイン旅行以来のサングリアも頼みましたが、食事で相当お腹一杯だったので、グラスで十分でした。

 カジノおよびドッグレースの結果、滞在最後の夜の時点で数千香港ドルの勝ちでした。最後の大勝負をするため、持参した日本円をほぼ全て両替し、ウィン→サンズでちまちま勝負し、さらにちまちま増えてはいたのですが、小金勝ったところであまり痺れないので、0時回ったあたりから大勝負をした結果、結局負けてしまい、適当に引き上げました。スーパーで買ったワインを、ホテルの部屋で呑んだあと就寝。

 最終日。呑んでいないミニバーの白ワイン2本分が加算されていたのを、つたない英語とインチキ広東語で伝えたのち、チェックアウト。タクシーでフェリーターミナルへ。スーツケースを積んだから3パタカプラスだよ、というようなことを広東語で言われました(これはガイドブックにも書いてあったので、ぼったくりでは無い)。一瞬何を言っているのか分からなかったのですが、数字だけ聞き取れたので、少しの間の後、小銭ばっかりで20パタカ(香港ドル)近くのお金を払ったら、また何か言われました。今度は全く分からなかったのだが、そしたら、えらく中国語訛りの英語で「アーリューヤパネース(多分 Are you Japanese? と言っていたのだと思う)」とか言われました。タクシーで英語を使われたのはこれが最初で最後です。

 ちなみに、カジノのテーブルでもやたらと広東語で話しかけられました。僕が滞在中、北京語らしき言葉を聞いたのは、少額でかけられる、「大小」の機械で盛り上がっていた一群だけです。やはり広東語圏から来る人が多いのでしょうか。日本人にもたまには出会いましたが、中国人がほとんどのようです。一人でうろうろしている僕も、あんまり日本人だという目では見られず、基本的には広東語で話しかけられました。ホテルや大きなレストランなどでも、へたにこちらが広東語を使うと、早口の広東語で返されるので、結局再度英語で聴き直したり。とりあえず数字を覚えておくだけでかなり便利なのは確かです。ディーラーも数字を広東語で言うことが多かったですし。

 カジノのディーラーやホテルの従業員の年齢層は非常に若いイメージでした。ディーラーなど、平日には全く慣れていない人もテーブルに立っていて、指導者に教わりながらチップを出し、間違えて怒られたりということが、客の前で普通に行われていました。

 帰国のフェリーは、やはりトランジット扱いの空港行きを選択。香港国際空港で酒などのお土産を少々買ったあとは帰国の途。帰りの飛行機は非常にすいていました。成田からは、成田−香港間のフライト時間なみの時間をバスに乗って帰宅したのでした。

(後で写真や参考URL、その他覚え書きを追加するかも知れません)