義務教育としての「医学」

 家庭科だって学校で教えるのだから、医学も義務教育で教えたほうがいい。
 簡単なケガの処置とか、風邪や腹痛時の様子の見方とか、おそらく家庭の中で自然に受け継がれてきたはずのものが崩壊してきているのではないか。昔なら「ツバでも付けとけ」ですまされていたであろう擦り傷なんかで、真夜中の外来を受診する人は後を絶たない。ちょっとしたケガや病気で大騒ぎする子供をたしなめる存在であったはずの両親や祖父母が、たしなめるどころか子供よりも大騒ぎしていたりする。