死刑制度「存続すべき」9割

死刑制度:「存続すべき」9割 ネット調査
http://mainichi.jp/select/today/news/20071223k0000m040021000c.html
 某所で他人様の日記にコメントしたニュースですが、こちらにも。
 僕はそもそも刑事罰というもの自体が、社会が未成熟な結果だと考えています。
http://d.hatena.ne.jp/zaw/20060219#p2

法律の世界の常識として、一般的に、法律制度の未発達な段階では、秩序の維持のために刑事罰に依存するといわれています。民事訴訟あるいは行政手続法が発展しない場合には、刑事罰に依存する部分が大きくなります。しかし、これは、いわば「見せしめ」「生贄」として刑事罰に晒す(一罰百戒)という方法であり、この威嚇は、一時的な予防効果を発揮しても、長期的な改革を進めることにはなりません。この手続きは、非常に閉鎖された空間で行われ、そこに至る経過は説明されないことが多く、積極的前向きな改善を検討する場もありません。

 とは言っても、何の刑罰も無ければ、秩序が保てないというのは事実です。ただ、短絡的に厳罰化を叫んだりすることは、社会の未成熟さを大々的にアピールしているというだけのように思えて、非常に滑稽にも思えます。まあ、法律に関してはほとんど知識もありませんし、おかしなことを言っているかも知れませんので、制度の根本的な部分についてはとりあえず置いておきます。
 ただ、何というか、死刑賛成派が9割という結果を目にして思うのは、あまりにも「生命」ということへの理解が乏しいのではないかと思ってしまうのです。みなあまりにも、生ということも、死ということも、よくわかってないんじゃないだろうか。
 出産が命がけだということを忘れ、避けられない死があるということを忘れてしまう背景には、死ということはおろか、生ということすらも隠されてしまった社会ということがあるのではないかと強く思うのです。
 少なくとも、死刑制度を国民が選択するのであれば、国民は死の現実をきちんと受けとめるべきだと思います。そういう意味では、一部の人間だけに死刑執行の過酷な責任を押し付け、隠されて執行される我が国の現状よりも、一部の国で行われている公開処刑ということのほうが、まだ真っ当なことであるようにも思えてくるのです。