アンリ・デュナン

なんていうか、大学を離れた地。三次救急病院。大学のように恵まれた症例というのは少ない。同じ癌手術にしても、この病院では、かなりひどくなるまで放っておかれた症例というのが多いので、手術とか、生存率とか、そういう数字をどこかと比較するのはあまり意味がない。
放っておくってのは、文字通り、かなり強い自覚症状がありながら限界まで病院に来ない人とか、受診したはいいけれど、積極的治療を拒否していて、結局生命の危機に瀕して救急車で病院へ来たりという、まさに飛び込みの癌症例の割合が高い。
きっちり検査予定組んで、合併症コントロールして、家族と本人にゆっくり説明して、しっかりした同意を得て手術、という流れが実はかなり恵まれたものだということを改めてかみしめる。
そして今日も手術。