敷地内禁煙というバカな発想

http://www.geocities.jp/halfboileddoc/up-date/record-new.html の6/17

 というのは、敷地内禁煙は、むしろ状況を悪化させているかのようにみえるからです。

(中略)

 敷地内禁煙ということになると、そういう喫煙スペースも許されなくなりました。しかしすべての人間が煙草を止められるわけでもなく、どこかで煙草を吸わなければならないわけです。

 となると、敷地外に出るしかない。

(中略)

 そうやって門のところで待ちかまえて煙草を吸うせいで、大学に出入りする際には僕らは必ず煙草の煙を通り抜けて行かなければならない。

 はっきりいって、非常に見苦しいだけでなく、不快でもあります。

病院で広く実施されている「敷地内禁煙」の取り組み。確かにタバコの害は明かであるし、禁煙の方向へむかうのは結構なことだとは思います。僕自身もタバコは吸いませんし、近くで吸われるのは不快に思う一人ですし。
実は、病院での取り組みも、当初は建物内禁煙であるとか、空気清浄機を備え付けて、喫煙部屋を設けるとかいうものであって、その時代のほうが、分煙がうまくいっていて、僕らが不快を感じることは少なかったように思います。
半熟さんが述べられているように、タバコ難民たちは門という門に押し出され、出勤する僕らに一斉に煙を浴びせるのです。3月までいた病院では、僕は夜間救急入り口を常に出入りに使っていたのですが、そこで患者さんたちに加え、職員、救急隊員たちまでもがみんなでタバコを吸っていました。
職員に関しては、さすがに、そういった目立つ場所でタバコを吸うなと会議などで指導が入るので、屋上とか非常階段とかトイレとかに潜んでタバコを吸うという、不良高校生みたいなマヌケなことになっていました。
あれって、タバコ吸っている本人自身は気付かないのだろうか、明らかにニコチンくさいんですけれどね。管理会議でそうした敷地の出入り口での職員の喫煙に苦言を呈しているある医者が、タバコの匂いをプンプンさせて外来に現れたりするのです。
さて、これはモラルとかマナーの問題であり、普通の人が普通に利用する公共の場での「敷地内禁煙」は守られなければならないのかも知れません。ただ、患者さんは自由を相当制限されて入院しているわけであり、勝手に外出することもできません。多くの疾患の治療には、確かにタバコは有害であり邪魔ですが、それを強制的に中止させる権限が病院にあるのでしょうか。患者さんは自由意志でタバコを吸います。少し前は、タバコを吸う患者さんを探すためには、喫煙室に行けば良かったのに、最近はどこかに姿をくらましてタバコを吸うので、危なくて仕方がないです。
中途半端な規制をしながら、なんだか美化されたタバコ広告を流し続ける日本。何がスモーキンクリーンだバカ。タバコ売りたいなら正々堂々と、あんな偽善的なマナー広告なんて流さずに売れ。「タバコおいしい、格好いい」って少し前みたいな広告打てばいいじゃないか。
本当に有害だと思うなら、麻薬、覚醒剤防止と同様、徹底的に「有害」をアピールする広告を打て。あるいは、国の権限で発売停止しろ。微妙なところでご機嫌うかがっているのが一番たちが悪いと思うのです。
ちなみに、病院での敷地内禁煙の契機になったのは、日本医療機能評価機構の病院評価、今年7月からのVer5.0による。なんだかわかんない人々がバカ高い受験料とってよくわからない評価を下す変な制度。白々しい「第三者」機構。「第三セクター」の間違いじゃないのか?
http://jcqhc.or.jp/html/index.htm
自己評価調査票(一般病院版)Ver5.0
 
3.6.4 禁煙に取り組んでいる
 
ベランダ、屋上、出入り口を含む全館禁煙を原則とする
敷地内を含め全面禁煙の場合は高く評価する
精神科、療養病棟、緩和ケア病棟は分煙について評価する
 
3.6.4.1 全館禁煙の方針が明確である
全館禁煙の方針が明確である
食堂や喫茶室なども例外としない
入院案内への適切な記載があることも確認する
 
3.6.4.2 禁煙についての表示がある
全館禁煙のわかりやすい表示がある
 
3.6.4.3 禁煙に対する啓蒙や教育などに積極的に取り組んでいる
禁煙の教育、啓蒙活動を行っている
禁煙教育は単に標語やポスターではなく、禁煙教室や教育的パネルなどの設置を評価する
 
3.6.4.4 職員は禁煙を積極的に推進している
職員は率先して禁煙に取り組んでいる
職員専用の喫煙室や別棟での喫煙室なども含めて禁煙を評価する