問診

http://d.hatena.ne.jp/nonsugar38/20051120#1132472085

例えば、気になる症状があって、病院にかかりに行ったとします。流れとしては
(1)病気っていうのは、まず原因と思われるものがあります。(ハッキリしてるのもあればよくわからないのもあったりするけど)
(2)それが何日・何週間・何ヶ月という時間の経過があって、症状として何か困った事が表れます。そのために病院に行こうということになるわけです。
(3)診察では医師と向かい合い、症状や今までの経過を伝えます。
(4)医師はその場の対話や触診などから、患者さんの症状の原因(1)が何かをある程度類推します。
(5)では○○かもしれないから検査をして詳しく調べてみましょうとか、とりあえず困った症状を抑える薬を出しましょうとか、○日間くらい様子を見てみましょうとか、そういう話に繋がっていきます。
と、(私の今までの経験からも)大体こんな風かと思われます。

そうですね。そのとおりです。

この(3)です。これが重要かつ難しいことだと思われますが、この辺りでまず、うまくいってないんじゃないかな。

診察室の椅子に座れば、医師が自分の困りごとを全て見通して解決してくれる、みたいに思ってる人、結構いるように思いませんか。「医師だったらそれくらい気付かなきゃおかしい、プロでしょ」みたいな論調をときどき見かけるし、実際に割り箸事件ではそれで訴えられてます。

引用多くてすみません。そうなんですよね。問診は非常に重要なことです。でも、中には問診に怒りだす人がいるんですよね。「ごちゃごちゃいってないで早く診ろ」と。だから何を診るべきかきいているんじゃないですか。建前上「全身の観察」が基本とは言いますが、全員裸に剥いて診察するわけにもいきませんし、「痛み」とか「痒み」とか、自覚症状というべきものは、会話によってのみ確認できます。意思疎通ができない人を診るのは一苦労なのです。

これは(5)にも繋がってくると思われますが、病気とか症状によっては、誰がどうやっても何ともどうしようもないというものが、あるわけです。

これに関してはですね、仮にほぼ同様の症状に、ほぼ同様の治療をしたとしても、良くなる人の一方で、悪くなる人もいます。そして、その「ある症状」に対して、いくつか治療の選択肢があって、結果論として、過去のある時点でのより効果的な検査や治療を論じることは簡単なのですが、その時点ではやむを得ないってことが相当あるのです。「後医は名医」ということです。「前医のことを悪く言うな」というのは、前の医者のずさんな、あるいは未熟な医療行為をかばうとか、そういうことではないのです。もっとも、よほどひどいことをしていればその限りではありませんが、徒に前医を悪く言うようなことは、医療不信を増大させ、その後の治療に悪影響を与えることも多いので、避けるべきです。
そして、世間一般で昨今氾濫しているのは、結果論としてさかのぼった上での、前医の悪口です。