ネット口座

 これだけネット上で完結するサービスが増加した現在、その個人が不慮の事態に陥った時、例えば資産なんかを全て把握するのって結構難しいと思うのですけれども、そのあたりで問題になったこととか今まで無いのでしょうか。ネット上に残されたデータなどの「電子的な遺産」の扱いについてのことはあちこちで目にしたことがあるのですが、ネット上の口座に残された金銭的な遺産の把握ということについてはあまりきいたことがありません。目下、遺族に把握されずに残っている口座もあるのでしょうか?
 多くのカード会社や銀行、証券会社などで、紙ベースでのやりとりが皆無に近いようなケースは少なくありません。もちろん、完全にネット上の電子データのやりとりだけで完結しないような工夫はされているけれども、従来のやり方に比べると、本人が不慮の事態に陥った時に、会社が気付くことも、そうした取引があることを家族が気付くこともかなり遅れるのではないかと思います。
 縁起でも無いとか言われそうですけれども、僕はいつも自分が不慮の事態に巻き込まれてしまうことを想定しているんですよね。で、入っている保険だとか、持っている口座だとか、寄付している団体だとかを一覧にしたものを、大学と自宅においています。そうして一覧にしてみると、大量の資産を持っているわけでもない僕でも、そこそこ記載しておかなくてはならないことがあるものです。
 かつてなら、資産を書き出しておかなくてはなんて心配をするのは資産家だけでよかったのでしょうけれども、今は個人でネット上の口座をいくつも持って使い分けたりするのは普通のことになっていますので、弁護士に頼むとまではいかなくても、大切な人に分かるような工夫をしておくことは必要だと思います。