10:30p.m.「狭心症はガラスの仮面」-0033-

 今日は、臨床薬理学の過去問なんかが発行されていた。僕らの大切な「資料」。私も書いた泌尿器科の資料はこんな感じ。あとのもみんなだいたい同じだ。病理学のときにはカラーコピーの写真も添えられた。我々の間では、授業のまとめ、解説、過去問、試験情報といった「資料」を発行する資料班制度が、非常にうまく働いている。

 医学を学ぶ教科書の類は、現在では和書もたくさんある。アメリカなど諸外国にあきらかに遅れをとっている現状では、英文の教科書で最新の知識をつけるべしという論もあるが、必ずしも、日本語の教科書をつかうことが良くないわけではないと、私は考えている。ただし、外国で「腎臓に腫瘍が出来ている」なんてことを表現するのに「JINZO」なんて言っていてははじまらないので、テクニカルタームを身につけることは必須だが、何から何まで英語で学ばなくてもいい気はする。

 医者と言えばドイツ語というイメージもまだまだ強いが、現在、カルテにドイツ語を使うこともほとんど無い。チアノーゼ(独)=サイアノーシス(英)のように、ドイツ語の医学用語はいまだ根強く残ってはいるが。カルテ、クランケ(患者)、ライヘ(遺体)…

 ちなみに、おいしいとこだけ抜き取った資料、マンガなども多用している。単なるカットとしてのみでなく、セリフを入れ替えて遊んだり、あるいは、これが最も重要なのかも知れないが、そのページを強く心に刻む。索引も何もない手作りの資料だが、「ああ、狭心症ガラスの仮面」みたいにして探すのに便利。本来のマンガの意味も持ち、勉強に疲れるとそれを読む。ただ、気付くとマンガしか読んでいないこともあるが。ある同級生は、勉強を始めるのが人より遅くても、会話にはついていけるように、まず、資料のマンガの部分だけを通読するとか。ちなみに、切り貼り作業で、マンガを載せるのにはそれなりの労力がいる。でも、みんな切羽詰まっていても喜々としてそんなのをつくっている。ちなみに、一緒のバンドの某ピアニストは、今年度後期資料「漫画班」だそうだ。