「陰陽」-0069-

 よくよく明るいと勉強できないらしい。ドラえもんで、付けると暗くなる電球なんていう、およそのび太くんたちには役に立たない道具を、試しに売り歩いてみたら、受験生と泥棒が買ったとかいう話があったのを思い出した。別にその電球は必要としてないが。

 ただ、冬なので、どうしても夜は寒いので、非常に効率の悪い、環境に優しくないスタイルなのかも知れない。はなから、週末は、ある意味休息に使おうと思っていたが、ちょっとのつもりで手を出した「薄紅天女」読了。古事記日本書紀といったモチーフから、勾玉三部作の最終巻は、長岡から平安にかけての帝の時代がモチーフ。坂上田村麻呂蝦夷と。

 この一連の物語に引き込まれてしまうのは、これがハイ・ファンタジーだからにほかならない。安っぽい勧善懲悪には終わらない何かがある。ギリシア神話にも見られるような、人間くさい神々は、日本にもたくさんいて、だからこそ、みんな絶対悪でも絶対善でもない、まさに東洋的思想、陰陽のバランスの問題であって、光だけでも、影だけでも存在できない。

 ちょっと前に触れた、漢方だが、これがすんなりと日本に息づき、今も有用である所以も、こんな思想が根底にあるからかも知れないと思ってみた。西洋ファンタジーに見られるような、絶対悪的存在が、ふと気付けば勾玉三部作にはひとつたりとも存在しなかった。

 月曜日からは、産婦人科、臨床薬理学、眼科。