救急告示

 そもそも常勤医だけで当直がまわせないような病院は、救急告示を取り下げるべきなんだと思うのですけれど、いかがなものでしょうか。
 常勤医だけで当直がまわせないどころか、バイト医だけで当直をまわしているような病院はなおさらのこと。いや、告示しないにしても、止むを得ない急患には可及的に対応するべきですけれども、世の求める「救急」にはそぐわない救急病院が大半なのだということを、きちんと確認しておく必要はあるかなと思うのです。

一 救急医療について相当の知識及び経験を有する医師が常時診療に従事していること。

この「相当」が神のごとき力と判断された判例があったりするわけですし。
http://d.hatena.ne.jp/zaw/20061108#p1

二 エツクス線装置、心電計、輸血及び輸液のための設備その他救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。

 これも、機器があっても、実際に速やかに使用できるとはいい難い施設も多いのが現状。

三 救急隊による傷病者の搬送に容易な場所に所在し、かつ、傷病者の搬入に適した構造設備を有すること。

 エレベーターが無く、担架で患者さんを担いで、階段をのぼって病室に連れて行かなくてはならない病院を知っていますが、これは「搬入に適した構造」なのかなあ。

四 救急医療を要する傷病者のための専用病床又は当該傷病者のために優先的に使用される病床を有すること。

 これなんてほとんど守られてないですよね。
 以下、省令の全文。

救急病院等を定める省令
(昭和三十九年二月二十日厚生省令第八号) 最終改正 : 平成一〇年三月二七日厚生省令第三六号

 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二条第九項の規定に基づき、救急病院等を定める省令を次のように定める。

医療機関
第一条 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二条第九項に規定する救急隊により搬送される傷病者に関する医療を担当する医療機関は、次の基準に該当する病院又は診療所であって、その開設者から都道府県知事に対して救急業務に関し協力する旨の申出のあつたもののうち、都道府県知事が、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の三第一項に規定する医療計画の内容(以下「医療計画の内容」という。)、当該病院又は診療所の所在する地域における救急業務の対象となる傷病者の発生状況等を勘案して必要と認定したもの(以下「救急病院」又は「救急診療所」という。)とする。ただし、疾病又は負傷の程度が軽易であると診断された傷病者及び直ちに応急的な診療を受ける必要があると認められた傷病者に関する医療を担当する医療機関は、病院又は診療所とする。
一 救急医療について相当の知識及び経験を有する医師が常時診療に従事していること。
二 エツクス線装置、心電計、輸血及び輸液のための設備その他救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること。
三 救急隊による傷病者の搬送に容易な場所に所在し、かつ、傷病者の搬入に適した構造設備を有すること。
四 救急医療を要する傷病者のための専用病床又は当該傷病者のために優先的に使用される病床を有すること。
2 前項の認定は、当該認定の日から起算して三年を経過した日に、その効力を失う。

(告示)
第二条 都道府県知事は、前条第一項の申出があつた病院又は診療所であつて、同項各号に該当し、かつ、医療計画の内容、当該病院又は診療所の所在する地域における救急業務の対象となる傷病者の発生状況等を勘案して必要と認定したものについて、救急病院又は救急診療所である旨、その名称及び所在地並びに当該認定が効力を有する期限を告示するものとする。
2 都道府県知事は、救急病院又は救急診療所が前条第一項各号に該当しなくなったとき又は同項の申出が撤回されたときは、その旨並びにその名称及び所在地を告示するものとする。

  附則

 この省令は、昭和三十九年四月十日から施行する。

  附則 (昭和六二年一月一二日厚生省令第二号)

(施行期日)
1 この省令は、昭和六十二年二月一日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の際現に改正前の第一条の規定による救急病院又は救急診療所である病院又は診療所については、この省令の施行の日から三年間は、なお従前の例によることができる。

  附則 (平成一〇年三月二七日厚生省令第三六号)

(施行期日)
1 この省令は、平成十年四月一日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の際現に改正前の第一条第一項の規定による認定を受けている救急病院又は救急診療所は、改正後の第一条第一項の規定により認定を受けた救急病院又は救急診療所とみなす。
3 前項の場合において、第一条第二項に規定する期間は、改正前の第一条第一項の規定による認定の日から起算するものとする。