第101回医師国家試験合格発表

 昨日、医師国家試験合格発表があったようです。合格された方々、おめでとうございます。最近は医療の暗黒面ばっかり綴っている僕ですが、まずは素直にお祝いさせて頂きます。問題は山積みの業界ですが、その担い手がいなくなって良いはずはありませんので。

 近年は、個人情報保護法を理由に合格者名が発表されず、その一方で、厚生労働省主導で、医師氏名のネット検索を可能にする方向で動くなど、なんだかよくわかんないのですが、とにかく7535人が合格した模様です。

http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2007032901000490.html

 厚生労働省は29日、2月に実施した第101回医師国家試験の合格者7535人を発表した。受験者数は8573人で、合格率は前年を2・1ポイント下回る87・9%。合格者の氏名は個人情報保護法を理由に公表せず、受験地と受験番号だけを発表した。

 個人情報保護関連の過去ログは以下。
http://d.hatena.ne.jp/zaw/20060329#p2
http://d.hatena.ne.jp/zaw/20051201#p2

 何を偉そうにと言われてしまうかも知れませんが、まがりなりにも僕が六年間医療に関わらせてもらった上で、これから医療を担う後輩たちに、一つだけ伝えたいことがあります。それは、とにかく「哲学」を持って欲しいということです。

 人間を相手にし、しかも生命を扱うという行為は単なる確率論だけでは片づけられません。何かの行為に及んだ際に、なぜ自分がその行為に及んだかについての「哲学」を持つことだけは忘れないで欲しいと思うのです。

 自分の責任において動くということを意識し、ただ単に「指導医に言われたから」とか、「ワシントンマニュアルに書いてあるから」とかいうことだけではなく、それを超えた「哲学」というものを、しっかり持っていて欲しいのです。

 冒頭にも述べたように、最近は医療の暗黒面ばっかり綴っている僕ではありますけれど、僕なりの哲学に基づいた医療は、今までずっと続けてきたつもりです。その哲学があまり正しくないものである可能性はもちろんあるでしょうから、それについて反省したり、考え直したりすることはもちろんあるでしょう。しかし、僕が今まで行ってきた医療は、常に僕なりの「哲学」に基づいて行ったつもりですし、それについては誰に恥じることもありません。