ローカル線で

 テキスト庵の運営者からのお知らせで、
http://www.spacehorn.com/text/report.cgi?ope=html&type=info10

日記猿人時代からベテランだったクリタさんですが、テキスト庵登録も早かった。クリタさんのテキスト庵登録番号18番は、現在もテキスト庵に更新報告されているテキストの中で(【な】以外では)、「ザウエリズム 【Zawerhythm】」さんの登録番号9番に次ぐ古さであります。

なんて書いて頂いたのですが、ずっと同じペースで更新が続いているクリタさんに対し、僕はかろうじてたまに更新するというくらいで、「現在もテキスト庵に更新報告されている」というのが気恥ずかしくはあります。今でも僕はブログを書いているという意識はなくて、あくまで日記を書いているつもりなんですが、かつては日常の出来事について綴っていたのに、最近はいわゆる日常雑記的なことをほとんど書いていない気もします。
 読者に何かを訴えかけるかどうかは分かりませんが、自分で過去の日記を読み返すと、その時していたこととか、考えていたことなんかが鮮やかに蘇って大層愉快なので、また少しずつ日記を書いていこうかな、と思ったのでした。
 新年早々の日記にも書いた通り、僕の母親がある病気に罹りまして、その治療のために、先日、入院しました。診療領域としても、診療圏としても、あまり情報の無い場所だなあと思っていたのですが、病棟主治医は僕の医局の一つ上の先輩の、中学・高校の同級生なのだそうです。だからなんだということも無いし、知り合いの知り合いって他人に他ならないのだけれど、いいともでもミクシィでも、友達の友達というポジションは特殊に扱っているので、全然知らないのとはやはりだいぶ違うんだと思います。
 さて、僕はもともと車の運転というのが大嫌いなのです。過失犯に対する刑事罰の適用の仕方がもっと成熟するまでは、怖くて車なんて乗れない(乗っているんですけれども)とか思っている一方で、バイク乗ったりしているので矛盾しまくっているのですが。回避できるリスクは万全に回避しておきたいというのが僕の身上なので、移動手段として車を使わざるを得ないのであれば、なるべくなら他人様に送って頂きたいな、と。でも田舎で生活するにはやはり車はいるんですよ。
 週末の高速道路料金が安くなってからというもの、田舎から田舎へ移動する間のような、今までならさして混むはずの無かった区間までもがアホみたいに渋滞していたりするので、車じゃないと結構不便な場所へも、どうにか電車で行けないかと算段し、一昨日の日曜日は、ローカル線を乗り継いで母親のお見舞いへ行くことにしました。単線をたらたら走るので、本を持って読書しながらの移動。車運転していると、運転以外のことができません。運転自体を楽しめる人じゃないと時間が勿体ないなとつくづく思うのです。
 治療初日はその副作用が結構きつかったみたいですが、日曜日の段階ではだいぶ落ち着いており、僕が昔読んだあと実家に持って帰って本棚に並べておいた、「アルジャーノンに花束を」なんて読んでいました。主治医の一人が、「僕もこの本何度も読み返しましたよ」なんて声をかけてくれたんだよ、などというとりとめのない話をした後、またローカル線を乗り継いで帰路に就きました。
 帰りの電車は、センター試験帰りと思しき高校生たちがたくさん乗り込んできて、試験の反省とか志望校についてとか、今後のこととか、我慢していたテレビやゲームの最近の動向についてとかの情報交換をしているのが懐かしくて微笑ましくて若さが羨ましくて、みんなが学びたいものを学べる場所へ進めたらいいと思って、読んでいた本を閉じ、しばしみんなの受験が上手くいくことを祈ったのでした。

アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を