「医学部生セクハラで逮捕」-0380-

 家庭教師をしていた男子高校生に、1997年10月頃から1999年10月頃までの間、点滴用の針など医療器具を使って暴行を加えたり、わいせつな行為をしたりしていたとして、昭和大学医学部6年生が逮捕された。容疑者は調べに対し「勉強しなかったから、懲らしめでやった」などと話している。

 こんなニュースを知って、非常に暗い気持ちになった。国家試験直前に、と思ったのだが、よくよく事件を追ってみると、事件の発覚は一昨年。そのタイムラグが妙に気になるのは、勘ぐりすぎなのだろうか。

 ところで、日本のシステムだと、一度医師免許を得てしまえば、よっぽどのことが無い限り、その医師免許は剥奪されない。鉄のカーテンと言われた旧ソ連のシステムですら、数年ごとに更新のための試験が義務づけられていたという。医師免許のあり方を考え直すことは急務なのではないかと思う。

 適正を客観的に判断するのは難しいのかも知れないが、明らかに不適と思われる人間を医療に携われないようにする篩いは最低限必要だろう。人格という問題がひとつ。もの凄い勢いで進歩する医療に追いついていない医師を排除するという意味がひとつ。一律に定年制とかいうことではなくて、能力を判定する免許の更新という概念はあっても良いと思う。それは確実に自らがもう少しで飛び込めるであろうぬるま湯の部分を否定することにはなるのだが、自分が患者として、いつでもどこでも安心して身を委ねられる医療を求めれば、結果そこに行き着く。