執刀医への「お布施」

http://d.hatena.ne.jp/yurusu/20061001/1159723842

あの時、「お布施」と呼ばれるお金をお医者様にお渡しするのが当然、ってウワサを聞いたんですけど本当ですか? 看護士さんや他の患者さんの前では絶対に受け取らないが、あの時間だけはお医者様も受け取ってくださる、と。それがどのように影響するということはないけど、本当に神様仏様に差し出す「こころ」としてのお金と同じ意味で。金額も、もちろん病状にもよるけど「イッポン」とか当たり前だ、とか。

 そういうお金のやりとりがあるのか無いのかと言われれば、ぶっちゃけ存在はします。ただし、「イッポン」貰おうが、アタッシュケース一杯貰おうが、医療費踏み倒されようが、治るものは治るし、治せないものは治せません。書くたびに「幻想だ」とか言われてしまいますが、あくまで医療は中立に行われます。医療の結果のやむを得ない不幸な転帰まで「医療ミスだ」と叩かれてしまうような昨今、貰うお金の額によって、手抜きなどできるわけもありませんし。ちなみに、「イッポン」というやりとりはもしかしたら僕の知らないところではあるのかも知れませんが、少額である場合や、商品券やビール券というケースがほとんどだと思います。公的病院以外に勤務しているか、個人開業の医師は、そもそも謝礼を受け取ること自体は、犯罪でもなんでもないのですが、あまり積極的には受け取らない傾向にあると思います。
「医者はみんな謝礼を望み、場合によってはあからさまに要求し、人目につかないところで嬉々として受け取る」というイメージは、僕の知る病院のイメージからはかけ離れています。断り切れずに謝礼を頂く、というケースの方が圧倒的に多いと思うのですが、そうして受け取れば「結局医者は受け取った」と言われるのだと思います。ただ、冷たいことを言えば、医者は仮に謝礼を受け取ったとしても、おそらく誰から貰ったかとか、いくら貰ったかということは一瞬にして忘れていると思います。ですから、謝礼によって医者の態度が変わったというのは往々にして幻想だと思います(少なくとも、僕はそう信じています)。
 現在は残っていませんが、かつて、「謝礼下さい。みんな欲しいんです」というスタンスの「手術の謝礼 外科医の本音」というサイトがあってそれについて言及したことがありました。ここに書いたように、僕自身は、謝礼の有無によって医療をかえるつもりは無いし、また、余計なお金を貰うことで、余計な圧力を感じたり、中立さを失うのは嫌なのです。
http://d.hatena.ne.jp/zaw/20041215
 また、お金以外の力で持って特権を要求する「圧力」についての思いはこちらに綴っています。
http://d.hatena.ne.jp/zaw/20060513#p1