定時

 今週はまずまずよく働いた気がします。術後落ち着いているので今日の病棟は平和でした。午前中回診と処方チェック、午後大腸カメラ、夕方もう一度みんなで回診して、かなり久々に定時上がり。働き始めた後、単発の外勤病院を除いて、この病院に来るまで定時上がりというものは経験したこともなかったし、期待してもいなかったのですけれども。
 原則、夕方に外科全員で回診することにしていて、そこでその日の問題点を拾っていくので、それで一応仕事を終了することができるのですが、そういうことをしてくれる上司というのはこの業界、結構少ないような気もします。今の病院では、基本的に手術以外の時間は三人それぞれ全く違う仕事をしているので、結果として外科全体の仕事は効率よく消化されていきます。そのおかげで、長い手術や病棟のトラブルなど無ければ、定時に上がることも可能なのです。
 病棟がいくら落ち着いていても、上司よりも部下が先に帰るのを良しとしない上、いつ帰るとも伝えてくれないような上司の下で働いていると、どんなに仕事が早く終わるように工夫してみたところで、帰宅時刻が上司の気まぐれにのみ左右されてしまいます。その結果、終わりの見えない仕事をダラダラ続けるという精神衛生上非常によろしくない状態になりますし、そうして毎日意味もなく遅くまで病院にいると、周囲からはその時間病院にいるのが当たり前だと捉えられて、特に急ぎではない仕事が後から後から湧いてくるという自体にも陥ります。
 長い時間病院にいるというのは、緊急時のマンパワーにもなるし、有り難い存在といえば有り難く、そのおかげで支えられている部分は否定しませんが、それを美徳とするのは僕の好きな考え方ではありません。メリハリつけて、緊急時はあくまで緊急時、その時はすみやかに対応すればいいのだと思っています。
 休みの時間何もすることが無いとか、病院にいた方が落ち着くというワーカホリックなお医者の皆様は、好きなように働いて頂いて構わないとは思いますが、もし部下がいるのであれば、通常の業務終了という目処をきちんとつけて、無理にでも部下を帰すようにして欲しいと思います。自分の「好き」を美徳や良識、果ては「患者のため」みたいな言葉に置き換えて、まるで定時に上がるのが罪であるかのような雰囲気を作り出すのはやめて頂きたいなと思っています。
 せっかく定時に上がったのですが、今日はチームカンファレンスの日なので、大学に寄って帰りました。